新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、関西の世界遺産の寺院が相次いで拝観停止を決めた。
東寺(教王護国寺・京都市南区)は22日から当面、金堂や講堂といった境内の建造物の拝観を中止する。
■「弘法市」のにぎわいもなく
25日から予定していた国宝・五重塔の特別拝観も取りやめる。4月21日の空海入定の日「正御影供(しょうみえく)」に伴う法要は僧侶のみで行い、21日の月命日に多くの人でにぎわう縁日・弘法市は中止に。
東寺の三浦文良・総務部長は「苦渋の決断でしたが、まさに大切な人の命を守るためにも弘法市と拝観の中止に踏み切りました。人のいない境内ですが、一日も早い疫病の終息と亡くなられた方々の菩提を祈ります」と話した。
比叡山延暦寺(大津市)は国宝の根本中堂や文化財を保管する国宝殿など山上のすべての伽藍と、延暦寺が管理する山麓の滋賀院門跡など坂本地域の寺院が拝観停止の対象となる。
■明治期以来、行事も中止に