はい、最初はものすごく不安でした。神戸大学にまで行ったのにもったいないと周りの皆さんには何度も言われてしまいました。親にも随分心配をかけたと思いますし、自分でも凄く不安でした。
それでもやっぱりプロになりたくて、何のツテもないままこの世界に飛び込みました。本当に何のツテもないので飛び込み営業からのスタートでした。ここで歌わせてください、とお願いするわけです。あるとき、ショッピングモールの方が「店で歌ってもいい」と言ってくれて。その初ライブがきっかけで、また別の人からも声をかけてもらって、今度はそれを聴いてくれたまた別の人が……という繰り返しで、少しずつファンの方が付いてきてくれました。皆さんにはいつも感謝しています。
――シンガーソングライターとしての活動をしていて、どんなところにやりがいを感じますか?
ライブの演奏やCDの音源を聴いてもらって、それに対して感動したよとか涙が出たなどと温かい感想を頂けるときが一番ですかね。
学校で公演したときの生徒さんから「石田さんの曲がまた聴きたくなりました」というメッセージをもらったりとか。そうやって覚えてくれてるんだと思うと自分自身も頑張ろうと思います。
◆「今度は自分が恩返しする」
――学校以外にも、被災地や避難所といった場所にも慰問演奏しているんですよね。防災に関心を持ったきっかけはなんだったのでしょうか? 教えてください。
もともと自分が神戸で震災を経験しているので、その記憶がずっと活動の根っこにはありましたね。
2011年に東日本大震災が発生して、そのときに今度は自分が恩返しする番だなと思ったんです。そこから毎月1回のペースで宮城県の石巻市へボランティアに行くようになったんですよ。実際に被災地に足を運ぶと、いろんな体験談を耳にします。けれど関西にはなかなかそれが伝わってきません。でも南海トラフなど、地震は決して人ごとではありませんよね。
じゃぁ「何とかしてもっと震災に関する情報を伝えなければ」と思ったのがきっかけ。それで、ひょうご防災リーダーの講座に通って勉強するようになったんです。
シンガーソングライター 石田裕之さん
公式サイト
http://www.insomnia.co.jp/
公式Twitter
https://twitter.com/SimpleLifeMusic