NEXCO西日本(西日本高速道路・大阪市)の男性社員(当時34歳)が2015年、過労でうつ病となり自殺した問題で、神戸第2検察審査会は16日までに、業務上過失致死容疑で告訴された元上司ら8人を不起訴とした神戸地検の処分を「不当」と議決した。これを受け神戸地検は再捜査のうえ起訴するかどうか改めて判断する。
男性は時間外労働が最大で月169時間を超え、徹夜で連続約36時間の勤務もあったという。うつ病を発症して自殺し、のちに労働災害と認定された。議決理由では、新しい部署に来て長時間勤務になった男性がうつ病を発症して自殺する可能性は予想できたとして「上司らは労働時間の把握があいまい」だとした。
また神戸地検に対し「検察官が長時間労働と自殺に因果関係がないというのは納得できない」と指摘。会社側も労働時間をパソコンの記録などで確認しなかったとして、安全配慮義務を怠ったと結論付けた。
神戸地検は「議決内容を検討のうえ、適切に対処する」とコメントした。
また男性の母親は代理人弁護士を通じ「検察は議決の趣旨を重く受け止めて真摯に精査し、判断し直してほしい」と話した。