このほか神戸海上保安部の管轄海域(阪神間沿岸~明石海峡~播磨灘東部、淡路島北部沿岸)では、燃料切れや見張り不足が原因によるプレジャーボートなど小型の船の事故が多発し、事故件数は毎年7月~8月に年間の約4分の1を占める(年による変動あり)といわれる。
■台風の季節、油断できない「走錨」
2018年9月、台風21号の影響で関西空港の連絡橋にタンカーが激突した事故は、タンカーが強風で錨を下ろしたまま流される「走錨(そうびょう)」状態に陥ったのが原因とされる。
こうした100トン以上の船舶による事故は2008年10月以降、2019年までに約70件発生(国土交通省・運輸安全委員会まとめ)。これからの台風の季節に大型船が流されると大事故につながりかねないため、海上保安庁はAI=人工知能で「走錨」を早急に発見するシステム開発を進めている。