神戸市兵庫区の集合住宅で26日、就寝中の夫にボーガン(洋弓銃)を発射し包丁で切りつけて殺害しようとした妻が兵庫県警に殺人未遂容疑で逮捕された事件を受け、兵庫県の井戸敏三知事は27日の定例会見で、ボーガンの規制強化を急ぐ意向を示した。
ボーガンを新規購入する人だけでなく、すでに所有する人が届け出を怠った場合なども罰則を適用する。
6月に宝塚市の民家で家族ら4人が殺傷された事件では、凶器としてボーガンが使用された。ボーガンをめぐっては、国の法整備の検討には時間がかかることが予想されるため、県は独自に規制する条例案を有識者会議で検討している。「日本ボーガン射撃協会」によると、ボーガンは現在、海外で製造されたものが国内でインターネットでも購入できるといい、県はすでにボーガン(クロスボウ)を青少年愛護条例にある「有害玩具類」に緊急指定。玩具販売店などに18歳未満への販売や貸与を禁止している。
9月定例議会に提出・議論される条例案では、すでにボーガンを所有する人に個人情報などの届け出の義務付けを検討している。井戸知事は定例会見で「(26日の神戸の事件を)深刻に受け止めている」と述べた上で「既に持っている人には(名前や住所などを)届け出る義務がある。届け出がなかった場合は罰則を科す必要がある」として、すでに所有する人を罰則の対象に含める考えを示した。