【小野】せっかくチャンスをいただいたので、この活動を継続して、一過性ではなく長期に渡って、5年・10年と次の世代に残せるようなことができたらと思います。ガイドさんの育成もして若い世代の方々につないでいきたいです。
【田辺】今ちょうど、私たちは八上城の北の登り口にいます。普通、お城は北を向いていないんです。常識の配置ではないんです。どうしてかというと、八上城の場合は北の麓を古代からの国道が通っているんです。現在の国道372号線というのは律令時代の山陰道です。その道路に向かって北から登って行くお城になっているわけです。京都から来て西国へ行くというとき日本海側の山陰道と瀬戸内海側の山陽道、太平洋側の南海道がありますが、これらが兵庫県は全部通っているんです。そのため、大河ドラマは時代の激動期を舞台にするでしょう? そうすると兵庫県は必ず出てくるんです。先ほど「一過性にせずに……」と仰られましたが、毎年の大河ドラマにどう対応するかということも検討してみるのもいいかもしれません。
例えば明治維新のときも、京都でいろいろとやった志士たちが姿をくらまして山陰道を通って行きます。出石に桂小五郎が隠棲したという場所があります。古代と中世の転換期には源義経が一の谷の戦いに行く時この道を通ったと言われています。そして中世と近世の転換期に出てきたのが、この波多野氏の八上の城です。いろんな時代の転換期にこのあたりは必ず絡んできますから、様々な話題作りの可能性があり、今後も楽しみですね。
(構成:久保直子)
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『ラジオで辿る光秀ゆかりの兵庫丹波』2020年8⽉6⽇放送回音声