神戸を拠点とする第五管区海上保安本部が管轄する大阪湾や瀬戸内海などの海域で2020年夏、「海の事故」が多発している。
■事故船はすべてプレジャーボート
第五管区海上保安本部の管轄区域は主に太平洋に面した近畿・四国の7府県(兵庫・大阪・奈良・和歌山・滋賀・徳島・高知)。
2020年7月1日~8月31日の2か月間に起きた大阪湾や瀬戸内海などの「海の事故」は、昨年の同じ時期に比べて大幅に増加。事故を起こした船は63隻で、昨年と同じくすべてプレジャーボートだった。昨年に比べて27隻増えている。
事故の種類で最も多かったのは機関故障の31件で約半数。亡くなった人はゼロ。府県別では兵庫が29隻(前年比+13隻)と突出。大阪の15隻(+10隻)、和歌山の13隻(±0)と続いている。
7月27日、4人乗りのヨットが西宮沖から関西空港方面に向けて航走中に、エンジンの警報が鳴ったため停止後、機関が再起動できなくなった。その後ヨットハーバー救助艇によって救助された。調査の結果、海水給水口付近にフジツボなどの海洋生物の付着が多数見受けられ冷却水の給水量が減少し、冷却機能が正常に起動しなかったことが原因。
■釣り人の人身事故増加