また人身事故は25人で、昨年に比べて2人増加した。死者・行方不明者も5人と2人増加。昨年発生の多かった「サーフィン中」の事故は4人(前年比̠-4人)と半減したが、「釣り中」の事故が6人(前年比+2人)。
死亡した人は、漁船からの転落や遊泳中、釣り中に流されたという。人身事故の府県別では兵庫が8人(前年比+1人)、大阪の3人(±0)、最多の和歌山は12人(±0)。
8月2日、水上オートバイに乗った男性と女性が、神戸市立須磨海づり公園の施設(橋げた)の下を、上体を屈ませて通航しようとした際、操船していた男性が運転操作を誤り急発進、驚いた同乗の女性が上体を起こし、頭部が橋げたに接触し負傷。女性は頭部挫創などにより2週間以上の入院治療となった。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年は開設されない海水浴場が多数あった。第五管区海上保安本部管内の近畿・四国の海水浴場70か所のうち41か所が開設されなかったという。こうした中「遊泳中」の事故は5人(うち死者2人)。
このうち「開設された海水浴場」で2人が軽傷、「開設されなかった海水浴場」で1人が重傷、「海水浴場以外の自然海岸」で2人死亡。2001年以降で事故数が最少となった2019年とは大きく異なる結果となった。
第五管区海上保安本部は、これから秋に向け、釣り中の事故が増加する可能性が高いと危惧している。釣り中の事故の大半が「海中転落」。この夏はプレジャーボートの事故が昨年と比べ大幅に増加したが、全国的にも同じ傾向が見られるという。
増加の要因として8月は全国的に晴天日が続くなど、プレジャーボート等の活動に適した気象に恵まれ、長引いた梅雨やコロナウイルス感染拡大防止のため活動を控えていた人たちの多くが、8月の開放感から海に出るようになった可能性があると分析。特に機関故障による事故が昨年から倍増しており、それまで動かさなかった船を十分な整備を行わないまま使用して事故に至ることも考えられるという。