明智光秀ゆかりの地として注⽬される兵庫・丹波について、歴史をはじめ多⾯的に取り上げる『ラジオで辿る光秀ゆかりの兵庫丹波』(ラジオ関⻄)。明智光秀ゆかりの丹波篠⼭を巡る旅、このシリーズ最終回の9⽉10⽇放送回では、日本六古窯のひとつである「丹波焼(丹波立杭焼)」についてピックアップ。丹波立杭陶磁器協同組合副理事長の市野達也さんにお話をうかがいながら、番組を進行しました。番組パーソナリティーは、「兵庫・神⼾のヒストリアン」として活躍する⽥辺眞⼈・園⽥学園⼥⼦⼤学名誉教授と、久保直⼦です。
◆カラフルになった丹波焼
丹波立杭陶磁器協同組合は古くからの焼き物を重視している窯元で構成されている組合で土の安定供給を目的として71年前に設立。まだ、戦後間もない組合設立当時は16~17軒くらいに落ち込んでいた窯元も現在では組合員数が約50軒になりました。
市野達也さんは代々続く窯元の9代目。違う仕事につきたいなと高校2・3年生の頃には悩んだこともあったそうですが、お父様の思いや産地のこともあり、最終的にこの仕事を選ばれたと言います。一つのことをやり続けるうえでのご苦労をお聞きしてみると……。
「何が求められているかですね。自分が好きなものを作っていてもお客さんの求めているものと違っていれば、世の中に出て行きません。世間の動向も踏まえながらどんなものが良いのかなと考えています。この仕事をはじめて35年になりますが、平成の時代より、今の方が丹波焼はカラフルになりました。色合いや形も変わってきています。昭和の時代は土の色そのものでしたが、現在は赤・青・黄などカラフルなものになっています。今の住宅様式にあったものを若い作家さんたちはたくさん作っていますね」(市野さん)
◆日本遺産
日本六古窯のひとつとして日本遺産に認定されたのは「丹波焼」にとって大きな出来事。ちょうど追い風のように信楽焼が“朝ドラ”でも取り上げられ、ちょうど注目度も増しています。
「西から岡山県の備前焼、兵庫県の丹波焼、滋賀県の信楽焼、愛知県の常滑焼、瀬戸焼、福井県の越前焼が日本六古窯です。(丹波立杭にも)お客さんが好んで来られているかなという感じですね」(市野さん)
※日本六古窯(にほんろっこよう)は、古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの産地の総称。2017年春、日本遺産に認定(「きっと恋する六古窯-日本生まれ日本育ちのやきもの産地-」より)。
『ラジオで辿る光秀ゆかりの兵庫丹波』2020年9⽉10⽇放送回音声