1日に1500本から2000本も売れる人気の巻きずしが、テレビや新聞で紹介されるマイスター工房八千代(兵庫県多可町八千代区中村)。施設長の藤原たか子さん(73)が2020年10月21日、兵庫県加西市で講演し、人気の秘訣(ひけつ)を語った。今年はコロナ禍で休業期間があったもののデパートへの卸売りが好調。売り上げは前年を上回っているという。
女性や高齢者らの活動促進施設「マイスター工房八千代」は、食生活の改善を目指した旧八千代町の生活研究グループを母体に2001年にオープンした。開発した特産品の中でも、マイスターの所在地域の名を商品名にした「天船(あまふね)巻きずし」が爆発的な人気を呼んだ。節分の日は2019年が約1万8千本、2020年は約1万5千本を販売した。
大きなキュウリが特徴。太めのキュウリなら半分を、細めなら1本分を使う。口にしたときの歯応えとともに、濃いめの味付けとキュウリのさっぱりした味わいが絶妙に溶け合う。
「人よし、味よし、笑顔よし~母ちゃんが作る田舎の味」の演題で講演した藤原さんは、今年の売り上げが前年を上回る3億円に迫ろうとしていると現況を語った。
「ベロメーター、カンピューター、ハンドパワー(の才能)を授けてくれた両親に感謝している」と藤原さん。ベロメーターとは自分の舌で味を確認すること、カンピューターは大量の調理をする時の絶妙のさじ加減など、ハンドパワーは巻きずしを作る際の素早い手さばきを意味する。これらが相まって、多くの人に愛され続ける「ふるさとの味」「おふくろの味」を支えてきた。
講演の結びに、マイスター工房八千代のモットー「あ・い・う・え・お」を披露した。「ありがとう・いつもにこにこ・うれしさを・えがお(笑顔)にかえて・おかえしを」
巻きずしは1本700円(税込み)。営業日の毎週木、金、土、日曜は当面、予約優先販売。予約はマイスター工房八千代(電話0795-30-5516)まで。