鉄アナ・羽川英樹の連載「行ってきました!」。今回は、「生誕100周年 追悼ミヤコ蝶々展」を現地取材した模様をリポートするとともに、羽川アナがミヤコ蝶々さんとの思い出を語ります。
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大阪なんばにある上方演芸資料館・ワッハ上方でいま開催中の「生誕100周年 追悼ミヤコ蝶々展」に行って来ました。展示される写真は、夫の南都雄二さんとの人気番組「夫婦善哉」での2ショットや数々の舞台写真など貴重なものばかり。ほかには愛用の小道具や秋田実さん直筆の漫才原稿、なつかしのテレビ番組の放映などで構成されています。
私は局アナ時代に星由里子さんと司会を務めた『2時のワイドショー』(読売テレビ発)で、蝶々さんと毎週木曜にご一緒させてもらいました。名物コーナーだった「夫婦110番」は視聴者からの嫁姑や夫婦間の相談を生ドラマで再現します。昭和30年代ならまだしも平成になってからの生ドラマは珍しく、出演の役者さんも毎週セリフは忘れないか、時間にちゃんと収まるかとハラハラドキドキの連続でした。
その再現劇を見たあと、蝶々さんがじっくりアドバイスを語ります。この部分は台本いっさいなし。蝶々さんは事前に相談内容も知りません。まさにぶっつけ本番で喋り始めるので、司会の私も時間調整やらアドリブ対応に毎回大わらわでした。
本番前の楽屋でのご機嫌伺いは、共演する現・桂春団治師匠が受け持ってくれました。当時から浮名を流す「春さん」は熟女までをうまく取りこむ術を持ち合わせていたようで、とても可愛いがられていたようです。
蝶々さんの凄さは後年、舞台で最も発揮されます。自ら脚本・演出・主演の中座座長公演は23年もの長きにわたりました。この公演ではお芝居ももちろんですが、舞台がはねたあとの「辻説法」が大人気でした。舞台の上に置かれた椅子に座り、世の中の出来事や日頃思うことをアドリブで30分ほど熱弁をふるいます。しかも毎日ネタが違うんです。これを芝居を2本やった後にやるんですから、すごいエネルギーです。
◇上方演芸の殿堂入り名人 特別展「生誕100周年 追悼ミヤコ蝶々展」
会場 大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)
大阪市中央区難波千日前12-7 YES・NAMBAビル 7階
電話 06-6631-0884
ワッハ上方 特別展「生誕100周年 追悼ミヤコ蝶々展」ページ
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