尼崎市で2人が拳銃で撃たれ重傷を負った事件で、兵庫県警捜査本部は4日、撃たれたもう1人が特定抗争指定暴力団・神戸山口組系組長(64)だと明らかにした。同じ組の幹部(61)とともに命に別条はないという。
捜査本部によると、組長は両脚の太ももを少なくとも1発ずつ撃たれており、幹部は左手を1発撃たれた。2人とも弾が貫通した痕があった。幹部は、拳銃で撃ち、逃走した2人組の男とは「面識がない」と話しているという。発砲したとみられる2人組の男はいずれも40歳代で、使った拳銃を持ったまま現場からワンボックスカーに乗って逃走したとみられる。
捜査本部は六代目山口組と神戸山口組、これら「2つの山口組」の抗争とみて殺人未遂容疑で2人の行方を追っている。
捜査関係者によると、負傷した2人はいずれも手と足を狙われており、至近距離から撃たれたものの、あえて急所を外されたとみられるという。尼崎市内では2019年11月、神戸山口組の幹部で当時のこの組のトップが路上で射殺される事件があり、対立する「六代目山口組」系の元組員が逮捕、起訴された。