新型コロナウイルスの影響で思うように旅ができない世の中になってしまった今、本は私たちを知らない世界へ連れて行ってくれる最も身近な“移動手段”。そんな私たちの読書生活を陰ながら支えてくれているのが、図書館司書の存在だ。折しも10月27日から11月9日までは公益社団法人読書推進運動協議会が定める「読書週間」にあたる。図書館での司書の仕事や神戸市内の図書館での本に親しんでもらう取り組みを、神戸市立中央図書館の担当者に聞いた。
――神戸市には市立図書館が11か所あると聞きましたが、本は何冊ありますか。
市内全館で200万冊ほどです。中央図書館だけで100万冊あり、市内では一番多く本を持っています。
――新刊も随時出版されていると思いますが、図書館に並べる本はどうやって決めているんですか?
週に1回「選書会議」を行っています。すべてではないですが、前の週に発行された本が載ったリストを参考にしたり、「見計らい本」(出版社から図書館側に期間限定のサンプルとして送られてくる本)というものがあるので、それらを見ながら、1000作品の中からどの本を買おうか、毎週の会議で決めています。
――図書館で、司書の方に話しかけても大丈夫なものでしょうか?
もちろんです。図書館の仕事には「本探しや調べもののお手伝いをする」ということがあります。例えば「家を買おうと思うが、その土地が昔は何だったか教えて欲しい」という質問があり、お手伝いしたことがあります。
――変わった相談が寄せられることもあるそうですね。
中高生男子から「コックリさんのやり方を教えて欲しい」と聞かれたこともありますし、料理本にある小さじ一杯の“小さじ”の定義を聞かれたこともあります。また、ある日図書館に電話がかかってきて、「ポーカーをやってるけど、どちらの札が強いか教えて」と聞かれたこともありました(笑)。