なぜ?乗客が増えたローカル鉄道・JR姫新線の奇跡~鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」vol.8

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 鉄アナ・羽川英樹の連載「行ってきました!」。今回は、ローカル鉄道・JR姫新線の“奇跡”を、羽川アナが現地取材した様子をお届けします。

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 兵庫県の姫路から岡山県の新見まで158kmを結ぶ姫新線(きしんせん)。かつては11両編成の急行が走るなど山陽山陰連絡の重要路線でしたが、中国道や智頭急行の開通で利用客が激減。全盛期の1965年には590万人あった年間利用客が、2009年には240万人と半分以下に。そこで地元では「チャレンジ300万人乗車作戦」を展開し、数年後にはその目標を見事達成させることができたのです。

 姫路駅3番線からキハ127系2両の気動車が、姫路城を右手に見ながら出発。もちろん出発前には5・6番ホームにある姫路名物「駅そば」をしっかり食べておきました。

「播磨高岡」「余部」そしてタケノコの名産地「太市」を過ぎると、「本龍野」に到着。ヒガシマル醤油の本社もある『播磨の小京都』龍野は、晩秋のみどころいっぱいです。

 うすくち龍野醤油資料館では、醤油づくりの歴史や製造工程が入館料わずか10円で学べます。また藩主の屋敷庭園だった聚遠亭や600本のカエデがある龍野公園では、まだまだ美しい紅葉を楽しむことができます。

 昭和レトロ情景館は築200年の古民家に、昭和30~40年代の龍野の街を再現した巨大ジオラマ館。元市職員の館主が13年かけて完成させました。80分の1サイズに昭和の風情たっぷりの建物が100以上。人物や街の描写も実に緻密でリアルで、HOゲージの鉄道模型のSL・機関車・貨物などが縦横無尽に走り抜けます。

 次の「東觜崎」には、揖保乃糸資料館「そうめんの里」があります。手延そうめんの歴史や製造工程を見学した後は、特製にゅうめんで体をしっかり温めてください。

 撮影スポットとして名高い揖保川鉄橋を渡ると「播磨新宮」です。ほとんどの列車がこの駅どまり。ここまでは30分に1本の運転ですが、ここから先の佐用方面行は日中1~2時間に1本に減ってしまいます。ここでは国民宿舎「志んぐ荘」横の東山公園の圧巻の紅葉をお楽しみください。

 では最後にローカル線では珍しい乗客増加に成功したポイントをまとめておきます。

(1)姫路~播磨新宮間のダイヤ増発
(2)横1・2座席という快適車両の新造
(3)非電化ながら最高時速100km/hという高速化
(4)各駅の駐車場整備
(5)各種利用補助

 これらが実り、かつ、沿線にいくつもの高校があることも功を奏したようです。チャレンジからわずか6年での目標達成は、まさに「ローカル線の奇跡」という伝説を生みだしたのです。(羽川英樹)

鉄アナ・羽川英樹「晩秋のJR姫新線 ~ローカル線の奇跡~」

鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」アーカイブ
https://jocr.jp/raditopi/tag/hagawa-ittekimashita/

鉄アナ・羽川英樹の出発進行(YouTubeチャンネル)
https://www.youtube.com/channel/UCm9ayfj0EO2utdyJ97NFpxQ

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