毎週日曜午前8時からのラジオ番組『ラピスモーニング』(ラジオ関西)で、神戸大倉山・楠寺瑠璃光苑の住職、「ラピス和尚」さんの楽しい仏教うんちくを届けています。日頃なにげなく使っている言葉が、思いもよらない“ふか~い”意味を持っている。そんな感動をラジトピで連載していきます。11月29日放送回の辻説法は「無事是貴人」です。
「無事」という言葉を普段から何気なく使います。トラブルがなく平穏であることの感謝として使うことも多いのではないでしょうか。
しかし、禅語としての「無事」には、これまた深い意味があり、「ありのまま、そのままでいいではないか」ということなのだそうです。
臨済禅師の言葉をまとめた語録「臨済録」には「無事是貴人、担だ造作すること莫れ、祇だ是れ平常なり」とあります。
どういう意味かといいますと、「どんな境遇にあっても、あたりまえのようにこなしていける人こそが貴ぶべき人である」ということ。臨済禅師が説くところの「無事」とは、やみくもに外に向かって求める心を捨てきったさわやかな境涯なのです。900年前に生まれた言葉ですが、いまだに人類はかわらないのです。
真に貴ぶべき人は、やみくもにじたばたしない。なるほど、かっこいいですね! ああ、本日も勉強になりました!
※みなさまの知りたい禅語もぜひお寄せください!
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