サッカー・J1のヴィッセル神戸応援番組『GOGO!ヴィッセル神戸』(ラジオ関西、パーソナリティー:林真一郎)12月14日の放送では、19日の明治安田生命J1リーグ第34節でヴィッセルが対戦する相手、FC東京の番記者に、試合のポイントを聞いた。
FC東京を取材する調布FMの遠藤理さんは、現在16勝6分11敗、勝点54で6位のFC東京について、「ここ数年、夏ごろまでは『これはぶっちぎりだね』という感じだったが、終盤になって『連敗』や『ここに負ける?』ということがあって、今年も例にもれず、チームが後半の失速している」と現状を話す。
ただし、FC東京の長谷川健太監督が掲げる「守備を固めてカウンター」の守備の部分は、「(副キャプテンの)DF渡辺剛選手や、昨年までヴィッセルでプレーしていたDFジョアン・オマリ選手などの活躍で、そんなに大崩れしない。かなり安定している」と、特長の堅守の充実ぶりを強調する。
チームのウィークポイントについては、アタッキングサードからの精度が低いことを挙げる。「左右のサイドバックがもっと深いところに入って折り返すとか、今シーズンはそういうシーンがなかなかできなかった」。ただし、そういった仕掛けを今こそ見せてくれることも予想されるだけに、サイドの攻防は、この一戦の見どころにもなる。遠藤さんは、このヴィッセル戦のキーマンに、大卒2年目のMF紺野和也選手を挙げていた。
また、ACLから帰国後に臨んだ、12日の第31節サンフレッチェ広島戦では、「たま」こと、元ヴィッセルのMF三田啓貴選手が出色の活躍を見せ、チームの勝利に大きく貢献。遠藤さんは「キャプテンマークを巻いて、決勝点をアシストしたし、運動量もよかった」と絶賛。持ち前のハードワークやパスセンスは健在であり、古巣対決にも気合いが入っていることだろう。
一方、遠藤さんが見てみたいヴィッセルの選手については、DF西大伍選手をピックアップ。西選手はACLなどでも攻撃的な位置でプレーし活躍していただけに、「FWとしてプレーする西選手を実際に目の前で見てみたい。鹿島アントラーズにいる時代から右サイドバックとしては、かなりのうまさ、センスの良さを見せていましたけど、潜在能力からいうと見てみたい1人」と述べつつ、百戦錬磨の右のスペシャリストを警戒していた。
「アスリートトラック」(※1)が適用され、ACLで戦った選手たちも出場は可能なこの試合。カタールでの約1か月の戦いを考えると、両者とも出場メンバーの選定も流動的。FC東京はJリーグ最終節の後も、年明けの1月4日にはJリーグルヴァンカップ決勝を控えており、そこへ向けた試金石として準備することも想定される。
ヴィッセルにとっては、このFC東京戦が、今シーズンの最終戦。元日の天皇杯優勝から始まり、J1での苦戦、監督交代、そして、ACLでのベスト4に至るまで続いた激動の航海も、残り1戦。大黒柱のアンドレス・イニエスタ選手はACLで負傷し、スペインでの治療を余儀なくされるなど、今回は限られたメンバーでの戦いを強いられる。
それでも、ACLでの再三の好守が光ったGK前川黛也選手をはじめ、大卒ルーキーながら終盤戦でポジションを勝ち取ったDF山川哲史選手や、ファイターのDF菊池流帆選手など、若き頼もしい逸材が続々と出てきている、今のヴィッセル。今年の集大成の場でも、躍動感あふれるプレーをチーム全体で見せて、6試合ぶりのJ1勝利で1年を締めくくりたい。来シーズンへのステップとするためにも、今回のFC東京とのアウェイ戦は、クラブにとって重要な場となる。キックオフは19日午後2時、会場は東京・味の素スタジアム。