人気絵本『にじいろのさかな』の世界に“ダイビング”!? 美しさにこだわりぬいた原画展が神戸で | ラジトピ ラジオ関西トピックス

人気絵本『にじいろのさかな』の世界に“ダイビング”!? 美しさにこだわりぬいた原画展が神戸で

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――後からこの「ハク」を張ったということですか?

 そうですね。本当は原画の段階ではキラキラ光るうろこは貼っていません。やはり展示でお子さんたちに見てもらうにあたって「光ってなかったら残念かな」ということで、作者自らが貼ったものになっています。

――子ども想いの作者さんなんですね。今回の作品展でイチオシのものはありますか?

「にじいろのさかな」シリーズの中に、1998年に出版された「にじいろのさかなとおおくじら」という作品の最後のカットで、くじらと仲良くなったにじうおと、その仲間たちが一緒に泳いでいるシーンがあります。水面から美しく光が差し込んでいる描写と巨大なくじらと小さなにじうおたちとの配置が、構図的にも色彩的にも非常に美しいと思います。個人的には一番好きな絵ですね。

――確かに海の中じゃないような色合いですし、くじらと並ぶことで、にじうおの大きさもわかって面白いですね。

 もともとこの作品は、でっかいくじらがやってきて。大きいし怖いし、自分たちの餌を一気に食べちゃうしで、「あいつはけしからん奴だ!」というところからスタートします。その大きさの対比や描き方の対比は非常に面白いですね。

――作品の所々に吹き出しでメッセージのようなものがあるんですけどこれは……?

 絵本の中で、作者自身がいちばん伝えたかったという部分を、作者自身が選んでその一節を引用して紹介しています。

――作者の他の作品についてですが、どれもタッチが違いますね。

 マーカス・フィスターのデビュー作の「ねぼすけふくろうちゃん」は「にじいろのさかな」とつながるものがあります。「にじいろのさかな」が誕生するもとになった作品だと作者自身も言っていますが、絵の具のにじみで柔らかな丸みを帯びた線を使うという(にじいろのさかなと)似たタッチになっています。他にも「ペンギンのピート」「かばのニルス」など、全然違ったタッチで描かれている作品も多数あり、作者の作風の幅広さも楽しんでいただけると思います。


■「神戸ファッション美術館」のページ
https://www.fashionmuseum.or.jp/


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