【林】 生え抜きが大事という意味では、地元・仁川学院高校から近畿大学を経て、阪神に来た佐藤選手は、まさに(地元密着の)ど真ん中ですよね。
【矢野監督】 夢があるよね。ホームランは。タイガースファンにとっても、子どもにとっても。佐藤や井上にも伝えたと思うが、「ホームランを打ってかっこいいのは、当たり前やぞ」と。逆にライトやレフトを守っていく姿勢を見たとき、『あいつかっこええな』『佐藤みたいに守っていきたいな』とか、たとえ凡打のときでもしっかり走る(ようなプレーをする)佐藤に期待したい。そういうのは、1回だけやっても言われないことで、続けてこそで、「あいつは、苦しいときでも、いつでも、1塁まで走り切っているな」と言われるように。だから、「もっと上の、そういうところを子どもたちに真似してもらえるような、見本になるようなプレーをしてほしい」と。そういうことは話したように思います。
【セオリー】 以前、フェニックスリーグで、1週間、中継でいかせてもらいましたが、井上選手がめちゃくちゃ守備練習していたんですよ。バッティングがめちゃめちゃいい選手ですが、守備練習をめちゃくちゃ長くやっていたのは、監督にたぶん言われたのか、守れる選手になりたいという思いが強いんでしょうね。
【矢野監督】 それも“気づき”やろね。井上にも言ったのは、一軍で呼ばれたとき、「打つだけでは試合に出られへんで。必要最低限、(守備も)普通というレベルに達しないと、4打席は立てない。打つだけなら代打1打席になってしまう」と。一軍でそういうところを気づけたのと、一番いい左ピッチャーの大野(雄大/中日)とも対戦できた。それを持って2軍にいけば、やるべきことはまた変わってくる。ほんの少しでしたが、井上にとって一軍の経験は大きいなと思います。
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今回のラジオ出演は、ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』(パーソナリテイー:林歳彦、田中大貴)、『セオリーのスポーツ数珠つなぎ』(パーソナリテイー:セオリー、藤谷真由香)の2番組によるスペシャル企画、『2021年あけましておめでとうございます記念・2番組コラボリレー放送』(1月1日、3日に放送)のなかで実現したもの。矢野監督と親交のあるセオリーの呼びかけで、「番組出演の夢がかなった」(セオリー)。
(文:黒川良彦)