「『挑・超・頂』を思い切りやりきりたい」阪神・矢野監督、3年目の決意 頂点に向けて【キャンプイン直前、虎を読む(3)】

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 2021年のプロ野球シーズンが、春季キャンプからいよいよ本格的にスタートする。2005年以来、セ・リーグでの優勝から遠ざかっている、阪神タイガース。今年こそという思いは、当然のごとく、虎ファンのなかで強いものがあるだろう。

 そのなかで、監督就任後、1年目の2019年は3位、2年目の2020年は2位と、着実に順位をあげているなか、勝負の3年目となる矢野燿大監督にかかる期待は大きい。

 新年早々、ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』(パーソナリテイー:林歳彦、田中大貴)、『セオリーのスポーツ数珠つなぎ』(パーソナリテイー:セオリー、藤谷真由香)の2番組によるスペシャル企画にゲスト出演し、思いを語った矢野監督。ここでは、後半回となった『セオリーのスポーツ数珠つなぎ』から、野球の今と未来への思い、そして、今季の抱負について、番組でのトークの模様を掲載する。

写真前方、左から、林歳彦さん、矢野燿大監督、藤谷真由香さん。写真後方、左から、セオリーさん、田中大貴さん(写真:ラジオ関西)
写真前方、左から、林歳彦さん、矢野燿大監督、藤谷真由香さん。写真後方、左から、セオリーさん、田中大貴さん(写真:ラジオ関西)※撮影時にマスクを外していただきました

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【林歳彦(以下、林)】 矢野さんの授業を受けに行きたい! 阪神の監督を終えたあと、先生になってほしい!

【矢野燿大監督(以下、矢野監督)】 ほんまに先生になりたいというのもあるから、そういう夢もちょっとあります。子どもを笑顔にしたいというのが、僕の野球。タイガースでそれをやりたい。子どもたちが真似をしてくれるような、子どもたちが笑顔でボールを追っかけて、大人もその背中を押しているような野球を。僕らの(少年時代や現役の)頃は「なにやってんだ、おまえ!」というようにしか教えてもらえなかったし、それが励ましだと思っていました。けれども、それが子どもの勇気を奪うことが、時として出てしまうもの。そうじゃなくて、逆に「こうやったらできるぞ」とか、やれていることを見てあげるべき。フルスイングして三振しても「よーし、よう振ってきたな」というべきなのに、「なにやってんねん! 当たれへんやんけ」というのでは、(相手が抱く印象が)全然違ってくる。そういう(時代に即した)野球界にしていきたい。

【藤谷真由香】 時代とともに教え方も変わってきているんですか?

【矢野監督】 それは僕らが変えていかなければいけないところじゃないかなと思います。昔のいいところも絶対にあるし、それはもちろん受け継いでいかないといけないのですが、僕ら自身も変わっていかないと。今の幸せと、昔の幸せは違うと思うんです。いい学校に行ったからといって、幸せかといえば、そうとは限らない。隣りの幸せと自分の家の幸せは違うもの。今ならユーチューバーだったり、ゲームしたり、なんでも夢がいろいろあるなか、そういうのは横並びになっていない。自分の好きなことを全力でやるというのが、すごく大事なことだと思います。僕は野球に人生を変えてもらったので、そういうところでは、そういう(今の時代に即した)野球界にしていきたい。勉強も、僕らサイドがしていかないと、なかなか変わらないですよね。

阪神タイガースの矢野燿大監督(写真:ラジオ関西)
阪神タイガースの矢野燿大監督(写真:ラジオ関西)

【田中大貴(以下、田中)】 そういう思いも、「39矢野基金」などにつながっているのでは?

【矢野監督】 そうやね。それも、ファンの人と僕らがつながっているなか、社会になにか還元というか、「僕らがいま何かできることを」という思いでやっています。赤星(憲広さん)とかがよくコマーシャルとかで出ていましたが、本当に元気づけて「頑張ってください」と思ってもらっているかもしれないですが、元気になって帰ってくるのは、むしろ僕らのほう。「電動車椅子のおかげで今までひきこもって前にいけなかった自分が、自分からみんなに挨拶にいけるようになった」とか言ってくれる女の子とがいて、力になれているんだなと。応援しているはずが、応援されてかえってくる。そういうもので、なにかこれからもつながりを持ちたいというのもあるし。プロというのは、そういうところでは、みんななにかチャレンジしてほしいなというのはありますね。

【林】 子どもに笑顔を届けたいってすごい! 大ちゃん、言ったことある?

【田中】 言いたいけど、言えないですよね、なかなか。

【セオリー】 「39矢野基金」は、矢野さんが現役最後の2010年からスタートして、もう10年になりますよね。筋ジストロフィーという病気を持つ方々へ毎年電動車椅子を送って支援したり、大阪府下の児童養護施設の野球大会などを支援したり、矢野さんが先頭にたって啓蒙活動をされています。お金がすべてではないが、実際お金がかかるもの。高いものでは250万円以上にもなりますが、矢野さんは10年間で4000万円以上寄付されています。金額というわけではないですが、矢野さんが「やるからには続ける」とやってらっしゃいます。

【林】 微力ですが、なにかさせてください! ぜひ応援したいです。

【矢野監督】 ぜひぜひ!

【セオリー】 毎年1回、運営委員会というものがあり、寄贈したお子さんからビデオレターが来るんですよ。

【矢野監督】 本当に涙が出ます。

【田中】 さて、今回は、2021年の抱負、言葉を書いていただこうと思います。

【矢野監督】 「受」ですね。昨年は「矢野ガッツ」をなかなかできなかった自分もいるし、楽しむこともなかなかできなかった自分もいた。でも、そういったことも含めて、「努力することでいいんだな」ということを教えられました。全部が受け入れられないときもありますが、自分は受け入れる努力をしていけば、それはいいんだなと。受け入れるところからしか始まらないし、拒否していても何も始まらない。僕側から『受』け入れる気持ちを持って、選手と接することが大事。自分自身、できていない自分も受け入れられるように。ダメだダメだと思うのではなく、「こういうときもあるよ」と。いったん休んで、またそこから前に進めばいいじゃないかと、自分に言い聞かせるための、『受』け入れる。人にも自分にも。(選手との距離感も)僕は近いのが好きですし。

【セオリー】 最後は、矢野監督からファンの皆さんへメッセージをお願いします。

【矢野監督】 今年のスローガンも「挑・超・頂 -挑む 超える 頂へー」なので、僕らが挑戦する姿を見てもらって、皆さんコロナで苦しいときだと思いますが、一歩前へ出るという気持ちを伝えたい。もちろん、ジャイアンツや、いろんなことを「超えて」いって、僕たちが楽しんでやっていけば「超えられる」と思っているので、このスローガンを思い切りやり切りたいと思います!

ラジオ番組にゲスト出演した、阪神の矢野監督(写真右、写真:ラジオ関西)
ラジオ番組にゲスト出演した、阪神の矢野監督(写真右、写真:ラジオ関西)

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 今回のラジオ出演は、ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』(パーソナリテイー:林歳彦、田中大貴)、『セオリーのスポーツ数珠つなぎ』(パーソナリテイー:セオリー、藤谷真由香)の2番組によるスペシャル企画、『2021年あけましておめでとうございます記念・2番組コラボリレー放送』(1月1日、3日に放送)のなかで実現したもの。矢野監督と親交のあるセオリーの呼びかけで、「番組出演の夢がかなった」(セオリー)。

(文:黒川良彦)








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