コロナ対策 改正特措法の衝撃「罰金じゃなければ、それでいいの?」「過料30万円、重すぎる」

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 新型コロナウイルス対策を強化する改正特別措置法など関連法が3日、参院本会議で可決、成立した。改正特措法は、緊急事態宣言が発令されている際に営業時間短縮命令を拒んだ飲食店事業者に30万円以下の行政罰としての過料を科すなどとしており、2月13日から施行される。

緊急事態宣言、さらに1か月の見込みで3月7日まで延長される

 兵庫・大阪・京都の関西3府県や首都圏など10の都府県では緊急事態宣言が3月7日までの延長が決まっている。完全に時短営業から逃げられないところまで追い詰められた飲食業界、しかし感染者を減らしたい、医療崩壊だけは招きたくない……思いを聞いた。

夜8時を待たずとも、このテーブルに客が座ることはなく・・・

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■「本音は1分1秒長く営業、1円でも多い売り上げが欲しい」

 姫路市でダイニングバーを2店舗経営していた50代の男性は、2020年12月、「苦渋の決断」で1店舗を閉店させた。

閉店する店、厨房最後の日(2020年12月)

「コロナ対策の特措法、罰金じゃなくて『過料』ならいいんですか? そもそも罰則じゃないですか。お金を取る意味がわかりませんよね。あくまでも協力を呼びかける要請なんだから、従うかどうかは別かと思います。どうしても従わせたいなら、一律ではなくそれぞれ個々に対応した体策を提示すべきです。一部の政治家は銀座のクラブでママさんのホントかウソかわからない“陳情”を聞いて、一方で罰則的なものを作っても根本的な解決にはほど遠いと思いますね」と憤る。

 良く言えば店舗統合してリニューアルですが、ウチの店、すでに破綻状態なので……3月からリニューアルの予定なのに出鼻をくじかれました。宣言が解除されてからの世の中の状況を考えると、正直不安しかないですよね。元々の2月7日終了説は、(病床のひっ迫の度合いを示す)ステージを下げて解除に持って行き、オリンピックやgotoキャンペーンの話ができるようにしようとしてたんじゃないかと思っています」

閑散とする姫路の夜の繁華街・魚町

「大規模店舗や大手の飲食チェーンはさらに縮小や破綻が増えるでしょうね。協力金の6万円に関しては営業規模ですごく差が出ますね。規模が大きいとランニングコストが高いので赤字でしょうし、1人でやってるような小さな店だと通常より利益が多くなると思います」

 当然、従業員を守るのにも限界がありますので、最低まで下がった有効求人倍率はもっと下がるんじゃないでしょうか? もちろん、感染者数が減って医療崩壊を回避することも大切です。医療崩壊回避のための緊急事態宣言だと考えた場合、陽性者を減らして医療を圧迫しないための措置のはずなので、現状からは延長しか選べなかったんでしょうね」

ネオンに照らされる人々の姿はなく…大阪・道頓堀

「僕の知り合いで1人親方(1人で営業)している店のほとんどは、通常の1日の固定費が1〜3万円程度、協力金の6万円が出れば1日あたり4万円の粗利(あらり)が出る計算です。なので1か月で100万円ほどボーナスが出るのと変わらない。実際に喜んでる人もいます。小規模店にはボーナスのようなものかも知れませんが、あきらめかけてた店は延命された感じですね。でも延命は回復とは違いますし。ちなみにウチの店は小規模店ながら6万円だとちょっと足りません。

ウチは時短営業で定められた『夜8時閉店』を守っていますが、本音は1分でも1秒でも長く営業して、1円でも多く売り上げたいのです。夜8時過ぎても営業したい、という店の気持ちもわかります。夜8時以降も営業を続ける店に客が集中していますし。『過料30万円』と聞いてビックリしましたが、時短要請に素直に応じれば、常連客の居場所はもちろん、酒店やおしぼり業者、食材の卸業者など取引先にも大打撃を与えます」

「まさに3月から店をリニューアル、出鼻をくじかれ…」

「コロナ収束、日本のこれから、国民の生活、いろいろ言われてるようですが、すべて後付けな感じがして、宣言が解除されてからの世の中の状況を考えると、正直不安しかないですよね。連日、感染者数の増減ばかりが前面に出て、本気で経済を回せるようにする話がなかなか出てこない。『withコロナ』という言葉がしきりに叫ばれていた時期がありましたが、『ポスト・コロナ』として一定の収束の見通しが立った時、その先の議論も同時にしていかないと、本当の崩壊が来てしまいますよ」

夜8時の閉店後、3時間近くミーティングと翌日の仕込み(姫路市内)

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 新型コロナウイルスの感染拡大に対応して罰則を設ける特別措置法と感染症法などの改正案、審議が4日間というスピード成立になった。13日に施行される。改正感染症法は、感染者が入院拒否したり、入院先から抜け出したりした場合の罰則として50万円以下の過料を科す。保健所の調査への拒否には30万円以下の過料。新たに、厚生労働相や知事が医療機関に病床の確保を勧告できるようにした。改正検疫法は、国が感染者に自宅待機などを要請できるようにする。

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