兵庫のおいしい食材を取り入れながら食育も行う“こども食堂”、「兵庫五国うまいもん こども食堂」が、今年から月2回、神戸市中央卸売市場の一角に開設される。
新型コロナウイルス感染拡大が続き、緊急事態宣言の発令期間も3月7日まで延長。外出自粛の要請もあり、外で気ままに遊んだり、外食を行いづらい状況などもあって、ストレスを抱えている子どもや保護者も増えている。
そういった親子に向けて、『子どもたちの居場所づくりとしてのこども食堂』開設が各地で求められているなか、全国の旅館・料理店の料理長のネットワークで、約2,000人のメンバーで構成されている「全国天地の会」(ぜんこくあまつちのかい)が主催、兵庫県や神戸市の協力などもあって、今回、こども食堂開設が実現することになった。
この“こども食堂”では「食べること」だけでなく、兵庫五国(摂津・播磨・但馬・丹波・淡路の各地域)の食材の知識を高めたり、会場である神戸市中央卸売市場の見学や料理講習会なども盛り込んで、意義深い食事時間を過ごすことを目指している。
プロジェクトの中心的リーダーで、「有馬温泉 四季の彩 旅篭」の料理人を務める柏木直樹さん(兵庫栄養調理製菓専門学校調理師科教授)は、こども食堂開設への思いをこう述べる。
「こども食堂は、子どもを守るための『居場所』だが、我々料理人がいるのだから、学校では教われない献立の産地や目利きなどの知識を教えたり、子どもでもできる簡単な『食彩加工』(しょくさいかこう)を安全に丁寧に教えたい。そして、我々の食卓を支えてくれている市場(神戸市中央卸売市場)がここにあるということを、子どもたちに伝えるとともに、ゆくゆくはその子どもにもつなげられるようにしたい。さらに、将来、我々のような料理人になって欲しい思いもある」
1月のプレオープン期間にこの“こども食堂”を訪れた市民は「孫の保育園も『食育』に力を入れているが、今回このような形で食材や料理に触れさせてもらえることはありがたい」と感想を述べていた。