今期限りで退任する井戸敏三知事(75)の任期満了に伴い、7月18日に投開票される兵庫県知事選挙をめぐり、兵庫県議会の最大会派である自民党議員団は2日午後、総会を開き、知事選の候補者選びに反発し、独自候補を擁立した11人の議員を除名処分にすることを正式決定した。11人は離党せず、新たな会派「自民党兵庫」を結成する。
井戸知事が2020年12月に退任を表明したあと、自民党県議団は前・兵庫県副知事の金沢和夫氏(64)の支援を最終決定。これに反発した県議11人は、金沢氏が立候補を正式表明した直後に会派へ退団届を提出。前大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)に出馬を要請し、斎藤氏も3月31日に正式に立候補を表明した。これを受け、議員団は綱紀委員会で退団届を受理せず、除名とする判断を下した。
総会後に会見した自民党県議団の藤田孝夫・綱紀委員長(65)は、「一部議員の退団の要因は、(知事選候補の)『決め方がおかしい』から始まり、最後は『斎藤に決めなかった』ことだ。斎藤氏の擁立に向けて、議員団に相談もなく行動していたことは明らかで、機関決定を突如裏切ったものと言わざるを得ない」と指摘。藤本百男幹事長(67)は、「分裂という事態は何としても避けたく、胸を割かれる思いだ」としたうえで、「金沢氏を何としても次の知事に」と決意をにじませた。
一方、新会派の幹事長に内定している内藤兵衛県議(62)は「(除名は)正直、納得できる処分内容ではないが、これで新会派として正式に活動がスタートできる。一連の流れについてとやかく言わないが、心を新たにしているところ。11名が中心・核となって選挙戦を戦うことに変わりはない」と話した。
なお、兵庫県議会の定数は86で、従来の自民党議員団は44人と過半数を占めていたが、これで過半数を大きく割り込むことになる。