◆初のトリプルA面シングル、制作エピソード
――『希望前線/Knock you, Knock me/回顧録を編む』の3曲が収録されていますが、最初からトリプルA面で作る予定だったんでしょうか?
【長谷川】もともとはそうじゃなかったです。僕らはYouTubeにあがっているMVのサムネイルを見たときに、「どんなMVが並んでたら面白いかな?」という、映像発信で曲を作る珍しいバンドなんですが、そこでまず生まれたのが『希望前線』。「ポップバンドでもギターロックできるぞ」というのをしたかったんです。次にカップリングを決めないといけなかったのですが、僕らはもともと“カップリング”という言葉が苦手なんですよ。A面と同じように魂込めて作っているのに、どうしてもB面の臭いがしちゃって。そんな時に『Knock you, Knock me』という曲ができました。その曲がメンバーのなかでも好評で、「これカップリングにするのもったいないかな?」と話をしていたら、リーダーの(松本)和也くんが『じゃあもうトリプルA面にしちゃう?』と言って格上げされた経緯があります。
――「全曲押し出したい!」という思いが感じられますね。
【髙橋】そうですね、昨年でいうとコロナ禍の時期でライブがなかなかできなくて……それでもスタジオで曲を制作して、やっぱりどの曲にも思い入れがありました。トリプルA面に決まった時点で、より気持ちが入るというか……。
【長谷川】むしろトリプルA面でリリースすることに違和感がなかったですね。
――制作中の思い出や印象深いエピソードがあれば教えてください。
【髙橋】『Knock you, Knock me』が誕生した瞬間ですかね。2年前くらいのデモ音源を、ふとスタジオで流してみたんです。最初は聴いていただけですが、だんだんGt/Keyのトリ(鳥山昴)が曲に合わせて演奏を始めて、Drの和也君がビートで入ってきて、俺もベースを合わせて、海くんが口ずさんで……それで曲が終わった後、「何これ!」と思うくらい、めちゃくちゃ楽しかったんです。初めての体験でした。
【長谷川】僕らは論理的に曲を作るタイプで、スタジオでもあんまり楽器を触らないんですよ。「このフレーズには意味があるのか?」「自己満(足)じゃないのか?」とかすごく話し合って、皆が曲に対して一歩引いたところから冷静に判断する。そこが僕らの良さだと思っているのですが、こんなに感情だけでピタっと重なるのはたぶん初めての体験でした。「楽しい!」と思いましたし、だからこそ、この曲がトリプルA面に格上げしてくれたのかな、と思います。歌詞もキャッチーなラブソングっぽい書き方をしてみたり、めちゃくちゃ楽しかったですね。
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