兵庫県は21日午後、政府に緊急事態宣言の発令を要請した。県民や事業者への要請の内容は協議中で、まとまり次第23日午後に再度、対策本部会議を開催し最終決定する。会議後に会見した井戸敏三知事は、「まん延防止等重点措置を適用して2週間が経ったが、際立った効果が見られていない。緊急事態宣言の発令をせざるを得ない状況だ」と厳しい表情で話した。
「重点措置」適用後の神戸の中心地・三宮エリアでは、直近1週間のデータで、夜間の人出は50%以上(2020年12月比)減少しているが、昼間は大きな変化がない。井戸知事は、「お酒を提供しないことが1つの有効な手段。酒類の取り扱いと営業時間の短縮要請をどうするかが焦点だが、全時間帯、お酒は出さない方向で(政府に)主張していきたい」と説明した。そして「大阪から人が流れてくることがないよう、足並みはできるだけ揃えたい」とした。
ライブハウスなどの遊興施設や大型の商業施設などについては、「要請は休業か、時間制限かを含め、しっかり協議する。かなりのお願いをしていかなければならない」と述べた。一方で、学校閉鎖などはせず、クラブ活動なども禁止しない。井戸知事は「部活を全面的に止めろとは言えない。スポーツの大会などは日程が決まっていて、子どもたちはそれを目標に練習を積んでいる」とした。
国が宣言を発令した場合、指定するエリアは県内全域となる見通し。これについて井戸知事は「全県で一律に要請をしていくというよりは『重点措置』適応地域とそれ以外で要請に差が出る可能性がある。新規感染者が非常に多い地域と、それ以外の地域で協力依頼の内容を変えられるか。規制の内容は二分することも含め検討する」とした。
宣言の発令期間について、井戸知事は、「国は従来から『1か月程度』を、効果が生じる期間として考えており、これが基本になると思っている。短いと効果がないし、長いと事業者などへの影響が大きい。ただ、イベントなどは大型連休を見据えることも考えられる」と、柔軟に対応する姿勢を見せている。