「ハドロサウルスの化石は世界で見つかっており研究も進んでいるが、まだわからないことも多く、淡路島で原始的なハドロサウルス=ヤマトサウルスが見つかったことから、ここからどのように進化していったのかを解く重要なポイントになる」としている。
小林教授は「ヤマトサウルスが見つかったのは海の地層。恐竜化石はモンゴルなど内陸部で発見されることが多く、海岸にどのような恐竜がいたのか想像が膨らむ」と話す。またヤマトサウルスはさらに2000万年前から生息していたかもしれないとし、白亜紀末期まで生き延びることができた、現代でいう「シーラカンスのような生き残り」だと分析する。北海道の白亜紀末期の地層から発見されたカムイサウルス・ジャポニクス(通称・むかわ竜)は、「進化型」ハドロサウルスとされ、本来共存できないはずの「原始型」と「進化型」が同じ年代の地層から見つかるのはアジア初。
日本の化石の多くは「アマチュア」が発見しており、恐竜化石についても岸本さんら「アマチュア」の力が欠かせないという。研究チームはその存在に感謝するとともに「今後も手を組んで新しい発見をしたい」とコメント。また「『ヤマトサウルス・イザナギイ』の名前を多くの人に覚えてもらいたい」と話した。
なおヤマトサウルスの化石は兵庫県立人と自然の博物館で展示される予定。
◆「~ヤマトサウルス・イザナギイ~ハドロサウルス科の繁栄の鍵を握る恐竜」
2021年5月12日(水)~7月11日(日)(予定)
※ただし、兵庫県内の新型コロナウイルス感染拡大の状況によっては変更の場合あり
会場 兵庫県立人と自然の博物館 3階展示室