ドライブや車を使っての旅行の際に多くの人が利用する「道の駅」。2021年3月30日現在、全国に1187駅あり兵庫県内には35駅ある。休憩や道路や観光情報の提供の他、地域振興施設や防災施設としての役割も期待されている。
大規模な災害が発生した際に国と地域、道の駅が連携して対応できるよう、豊岡河川国道事務所と朝来市・養父市が、このほど災害協定を結んだ。
道の駅の施設は、国が管理する部分を地元自治体が管理する部分がある。今回の協定は、災害が発生した際に国・自治体・道の駅が連携して対応できるようにするもの。朝来市の道の駅「但馬のまほろば」、それに養父市の道の駅「ようか但馬蔵」と豊岡河川国道事務所が、「災害時における道の駅の施設や資機材の相互利用」「電力が供給されなくなった場合に作動する自家用発電機の操作および仕様の共有」「衛星携帯電話の設置及び管理方法」について、また、「ようか但馬蔵」は「災害用トイレの組み立て訓練」についても、協定を結んだ。
朝来市山東町にある道の駅「但馬のまほろば」は、「但馬の玄関口」として地元の野菜や但馬牛などの特産品を扱う。自動車専用道路上にあり、ゲートをオープンすれば一般道路ともつながる珍しい構造だという。もしもの場合、京阪神方面からの自衛隊などの支援・緊急車両などがアクセスしやすく、但馬全体・兵庫県北部の防災の拠点になることが期待されている。
朝来市の担当者は、「県の広域防災拠点であり、朝来市の防災拠点でもある。高台にあり周りに山もないので被災のリスクは低い。水害が起きても比較的安全。その役割は大きい」と話す。また自動車専用道路にあるため、「雪で国道が通れなくなっても使える可能性が高い」と雪の多い地方ならではの課題にも対応できるとする。
一方、養父市八鹿町の道の駅「ようか但馬蔵」は、バスターミナルも近くにあり車以外の人の利用も多い。
「災害が発生して通行止めになるなどして帰宅困難になり多くの人が道の駅に集まった場合、既存のトイレだけでは足りなくなることが想定される。これまでは国の管轄だったマンホールトイレが、今回の協定で道の駅の判断で使えるようになった」と養父市の担当者は話す。実際に組み立て訓練も行い、「今後は倉庫も作り備品の充実を図ると(国から)聞いている」とし、その役割はさらに重要度を増しそうだ。