音声メディアのラジオで、音に様々な効果をもたらす「エフェクト」について、普段はラジオの裏方を務める技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「GarageBand」などの音楽制作ソフトを使えば、スマホやタブレットで、誰もが無料で本格的な音楽を作ることができます。またDTM(デスクトップミュージック=パソコンを使って、音楽や楽曲を作る行為の総称)や動画配信、SNSなど様々なところで、多くの人が映像・音楽のクリエーターになることができます。
そんなクリエイティブの質を、もうワンランクアップさせてくれるのが「エフェクト」です。
エフェクトは、生放送から、録音番組の編集など、「ラジオミキサー」の仕事をしていると切っても切れない存在です。いろんなコーナーやライブ演奏、ラジオドラマなど、エフェクトがいろいろな場面を盛り上げてくれます。「ジャン!」「ピンポーン!」などの効果音のことをサウンドエフェクト(SE)と言いますが、“リバーブ”と呼ばれるような、音の質や聞こえ方に変化をつけるエフェクトを紹介しましょう。
まず、リバーブ(Reverb)とは、残響音を加える加工です。ボーカルや楽器に使うのはもちろん、放送現場では、よくコーナーのタイトルコールや、ドラマのときには、回想シーン、「いい湯だなぁ……」というせりふなど、風呂に入っているシーンなどに使います。
神戸のラジオ局「ラジオ関西」では、各スタジオに外付けのエフェクターが設置されていますが、最近はデジタルミキサーに、エフェクターが内蔵されたものが多いです。
リバーブの設定にもいろいろあって、 「Decay」(音の減衰)や「Reverb Time」(残響時間)という設定で残響音の長さをかえたり、「Predelay」という設定では、残響が始まるまでの時間を遅らせて、元の音をハッキリ聴こえさせることができます。
昔のレコードを聴くと、深いリバーブの曲が多いように感じる人も多いでしょう。サイモンとガーファンクルの「スカボローフェア」などは残響音が長めです。またジョン・レノンのソロシングル「インスタントカーマ」もリバーブの他に様々な加工が施され、聴くと驚く人もいるかもしれません。
もし興味がある方は、番組にハガキでおたよりをお待ちしています。
宛先 〒650-8580 ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』
ラジオ関西技術センターがお送りする番組で、あなたの質問が読まれるかも……!
※ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』2021年5月16日放送回音声