成田凌らキャスティングはベストな布陣! 好評を博した舞台劇が映画化『くれなずめ』 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

成田凌らキャスティングはベストな布陣! 好評を博した舞台劇が映画化『くれなずめ』

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 成田凌をはじめとする個性派俳優が出演、好評を博した舞台が映画化された『くれなずめ』が、シネ・リーブル神戸をはじめ、全国公開中です。今作を、映画をこよなく愛するラジオパーソナリティー・増井孝子さんが解説します。

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 日が暮れそうで、なかなか暮れない状態をいう“くれなずむ”。それを松居大悟監督が命令形にした造語「くれなずめ」というタイトル。もともと、2017年に松居監督が作・演出を務める劇団「ゴジゲン」で、自身の実体験をモチーフに書いた舞台劇は、3都市で上演されて好評を博した。映画化に当たっても、自らが監督を務めるとともに、今をときめく俳優たちが顔を揃えた。

©2020「くれなずめ」製作委員会

 友人の結婚式に出席するために、5年ぶりに集まった高校時代の帰宅部仲間たち。アラサーの野郎ども6人が披露宴と二次会の間の3時間をどう過ごすか? 赤フンで熱演したけど、まったくウケない……どころかドン引きされてしまった披露宴の余興。近くの喫茶店は二次会を待つ出席者でいっぱいみたいだし、ひどいスベり方が尾をひき、二次会に出るのさえ恥ずかしいと思うメンバーもいて、なるべく自分たちだけで過ごそうと、あてどなく道をほっつき歩きながら時間をつぶす彼ら。そして、ふとした会話でフラッシュバックしてくるあの頃……。

 12年前、高校生の吉尾(成田凌)は清掃委員だった。後輩の前で、同級生の清掃委員、ミキエ(前田敦子)に「ゴミの分別ができていない!」と怒鳴られた。文化祭の出し物では赤フンで踊ったこと、カラオケで怖い不良(城田優)にからまれたこと。9年前、集まって夜を過ごしたとき、話題の中心になったのは「で、お前はまだ童貞なのか?」。6年前、仙台で働く吉尾の元へ劇団で演出をしている欽一(高良健吾)が訪ねてきて、一緒に屋台のおでん屋で飲んだこと。そして5年前……。

 二次会を待つ間の“今”と、友との思い出を振り返る“過去”とがないまぜになり、笑いと切なさ、リアルとまぼろし……、そして、忘れようとしても忘れられないあることが、彼らの前に立ちはだかってくる……。

 舞台役者の明石役・若葉竜也、唯一の既婚者でサラリーマンのソース役・浜野謙太、会社員の大成役・藤原季節、地元に残ってネジ工場で働くネジ役の目次立樹(劇団ゴジゲン旗揚げメンバーで、全作品に出演)、舞台では松居監督が自ら演じた欽一役の高良健吾、それに吉尾役の成田凌というキャスティングはまさにベストな布陣。

 劇中の赤フンダンスで使われたのが、吉尾がファンだという設定のウルフルズ「それが答えだ!」。そして今回、主題歌を書き下ろしたのもトータス松本。「ゾウはネズミ色」というこの曲は、“答えとは何か?たどり着けないということが昔よりさらに分かってきた、そういうもんじゃないの?”と、「それが答えだ!」のアンサーソングになるように作られた曲なのだとか。

 NHKの朝の連続テレビ小説『おちょやん』で、主人公浮気な亭主・一平を演じた成田凌、最悪の父親テルヲ役のトータス松本がつながり、松居監督が泣いて喜んだというエンディング曲が生まれたというのも面白い縁。


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