神戸市は21日、市内2か所目の大規模接種会場として、ノエビアスタジアム神戸(同市兵庫区)の運用を5月31日から始めると発表した。神戸市内に住む65歳以上の高齢者が対象で、22日朝から予約を受け付ける。当面は1日当たり1,000人の接種を目指し、段階的に5,000人以上まで増やす方針で、会場の設置期限は設けず、それ以下の世代へのワクチン接種にも活用できるようにする。
5月上旬、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長から神戸市の久元喜造市長に「スタジアムに大規模接種会場をつくらないか」と提案があり、急ピッチで計画が進んだ。神戸市の統括のもと、楽天グループが接種会場のオペレーション管理や医療機関との調整を行う。呼びかけに応じた神戸大や、東京慈恵会医科大、SBCメディカルグループが医師や看護師などが派遣する、国内初の「産官学連携オペレーション体制」となる。
接種時間は午前10時から午後7時で、ワクチンはアメリカ・ファイザー社製を使用する。ノエビアスタジアム神戸はサッカーJ1ヴィッセル神戸の本拠地であり、スタンド下の控室や研修室などが接種会場に用いられるが、Jリーグの試合がある日も終了時間を繰り上げて接種が実施される見通し。会場までは、兵庫駅と新長田駅から15分間隔で直行の無料シャトルバスが臨時で運行される予定。
神戸市は25日から、1か所目の大規模接種会場(神戸ハーバーランドセンタービル)の運用をはじめ、1日当たり最大2,000人の接種を見込んでいる。久元市長は「1か所目の運用を前提に、高齢者への接種を7月末までに終えることができるとしていたが、2か所目となるノエビアスタジアム神戸はより大きなものになる。65歳未満の市民に向けた接種を前倒しし、できるだけ早く始めたい」と期待を寄せた。楽天の三木谷会長兼社長は、「安全かつ効率的なオペレーションを心掛けたい。他の自治体のモデルケールになればいい」と意気込みを述べた。