兵庫県養父市で2020年8月、会社の同僚男性をナイフで刺殺したとして、殺人や死体遺棄などの罪に問われた無職の男(29)の裁判員裁判初公判が1日、神戸地裁姫路支部で開かれ、男は「間違いない」と起訴内容を認めた。
起訴状によると、男は2020年8月29日午後、養父市内の駐車場に止めた乗用車内で、同僚の男性会社員 (当時・21) の首などをナイフで複数回刺して殺害。遺体を市内の空き家に運んで玄関に放置し、2日後、男性会社員のキャッシュカードを使い、現金自動預払機(ATM)で2万円を引き出したとされる。
検察側は冒頭陳述で、「被害者は被告を兄のように慕っていたが、被告のプライベートな話を他人漏らすなどしたことから嫌悪感を抱き、縁を切ろうと被害者の殺害を決意。インターネットで殺害方法を検索し、事前に凶器を購入した」と指摘した。一方弁護側は、「被告はナイフで脅す程度に考えていたが、実際にナイフを持つと怒りが噴き出して、刺してしまった」と述べた。判決は9日。