兵庫県尼崎市で2020年11月、特定抗争指定暴力団・神戸山口組傘下組織の組長と幹部が拳銃で撃たれた事件で、殺人未遂と銃刀法違反で起訴された、対立する特定抗争指定暴力団・六代目山口組直系組織の幹部(52) と組員(54)について、神戸地検が裁判員裁判の対象から除外するよう、神戸地裁に請求したことが2日、わかった。神戸地検は2015年に分裂した「2つの山口組」の対立抗争状態が現在も続いているとみて、裁判員に危害が及ぶ恐れがあると判断したとみられる。
![神戸地検は「2つの山口組」の対立抗争状態が現在も続き、裁判員に危害が及ぶ恐れがあると判断](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2021/06/%E7%A5%9E%E6%88%B8%E5%9C%B0%E6%A4%9C%E3%80%802021%E5%B9%B4%E5%86%AC-1-1024x576.jpg)
裁判員法では、裁判員の生命、身体、財産などに危害が加えられる恐れがある場合、裁判員裁判の対象から除外すると規定。これまでに除外されたケースの多くは暴力団関係の事件だった。この事件をめぐる刑事裁判では検察側、弁護側(場合によっては被告自身も)、裁判所の3者協議「公判前整理手続き」を今後進めるが、訴訟指揮については担当の部総括判事(いわゆる「裁判長」)に一任されている。
![神戸山口組幹部射殺事件(2019年11月発生)判決公判を前に<神戸地裁法廷 ※代表撮影 2021年2月19日>](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2021/06/%E7%A5%9E%E6%88%B8%E5%9C%B0%E8%A3%81%E3%80%80%E6%B3%95%E5%BB%B7%E3%80%802021.2.19%E2%91%A0-1024x683.jpg)
![神戸地裁(神戸市中央区)](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2021/06/%E7%A5%9E%E6%88%B8%E5%9C%B0%E8%A3%81%E3%80%80%E9%96%80%E6%9F%B1-1024x576.jpg)
神戸地検は2019年に神戸市、尼崎市で起きた一連の抗争事件4件(うち1件は被告が死亡し、控訴棄却)について「事件に組織性があり、関係者が裁判員に報復行為に及ぶ危険性がある」として、神戸地裁に裁判員裁判からの除外を請求、このうち2件は裁判員裁判として審理されていない。