2021年、近畿地方は5月21日に梅雨入りし、1951年の統計開始以来最も早い梅雨入りとなった。そして6月21日は夏至。昼の時間が1年の中で最も長い。雨の季節に加え「夜」の時間も短いこの時期でも、空には無数の星がある。
6月、夕方の西の低い空では、宵の明星=金星が輝き始めるが、日の入りから1時間半もすると太陽を追うように沈んでしまう。
一方、6月の明け方は、南から南東にかけての空で土星と木星が輝く。
木星は観望の好機となっていて、上旬は真夜中に東の空から昇り、下旬になると真夜中に南東の空に見える。マイナス2.4~2.6等と明るい。
木星は太陽系最大の惑星で、太陽の周りを11.86年かけて公転している。高い倍率の望遠鏡を使えば表面の縞模様まで見ることができる。ただ今年は縞模様だけでなく周囲のガリレオ衛星にも目を向けたい。4つの衛星たちが互いに隠したり隠されたりする「相互食」が6年ぶりに起こる。
木星のガリレオ衛星のうち、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの4つは非常に明るく、双眼鏡や小口径の望遠鏡でもはっきりと見ることができる。今回見られる相互食は一方の衛星の影がもう一つの衛星に本影や半影になって投影される現象で、「月食」のようなイメージ。
12日未明と夜、20日未明にはガニメデの影にイオが入り、18日にはイオの影にエウロパが入る。この「相互食」は今年8月、11月にも見られる。望遠鏡で見るのがおすすめという。