デザインとは、「目に見える部分よりも考え方やコンセプトが大事」。そう話すのは、神戸のデザイン会社、株式会社アートデザインセンターの代表取締役・横山和之さんだ。
食品パッケージデザインをはじめ、ロゴデザインやWEBデザイン、パンフレットから店舗デザインまで、幅広く手掛ける同社。1983年、当時25歳だった横山さんは「これからの時代、デザインが非常に大事だろうと思って、企業向けにデザインを提供していく会社を作った」。
かつて企業はビジネスを重視しがちで、企業イメージに重きを置いていなかったが、「80年代に入って、21世紀を目指してイメージを変えていこうと流れがあった」。その状況を踏まえて、デザインの提案に舵を切り、今に至る。最近では神戸の大手スイーツメーカーなど、スイーツ関連企業のデザインにも着手している。
神戸を代表する会社の1つ、吉田ピーナツ食品株式会社のロゴマークも、同社が制作したうちの1つ。「弊社が創業時の仕事だが、今でも会長にお会いすると、『あの時に、シンボルマークとマークに込めた意味を作ってくれたからこそ今がある』と言ってくださる」と横山さん。デザインが企業に大きな価値を生む実例といえよう。
デザインを手掛ける際には、その企業のポジションやターゲット層、ライバル店との兼ね合い、将来性など、様々な視点からコンセプトを決定し、ネーミングを考案。「基本的にはコンセプトからトータルにさせていただくことが多い」という。
2018年には実行プログラム「デザインの⼒で未来を創造する」を打ち出し、特許庁と経済産業省が推進している『デザイン経営』の実行部隊にも名乗り出ている同社。ホームページには「デザイン経営」のページを設け、その重要性を説く。
「メーカーであれば技術が表に出てくるので、価格や性能などでお客さんは選ぶが、一方でデザインで選ぶお客さんも多い。製品のコンセプトをいかに形に見せるかがデザイン。なので、従来の価格と性能のアプローチだけでなく、デザインのアプローチも(効果が)高いと思っている」(横山さん)
今後については、「出発当初からデザインをコンセプトからトータルに提案しているが、この仕事はまだまだ必要な仕事だと思うので、そこを柱にやっていきたい」と、原点を重んじていた。
◆株式会社アートデザインセンター
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