そんな折、うれしい出来事があった。プロ野球の阪神タイガースに女子チーム「阪神タイガース Women」が設立されたのだ。三浦伊織さんら、元女子プロ野球の選手らもメンバーに入っている。
「男子のプロ球団が作ってくれると、インパクトがあります。特にタイガースだったので、女子野球が注目されます」と田中さん。
チームはこの春、選手移動用の車両購入のため、クラウドファンディングを行った。あっという間に目標を上回った。ゼロから始まったチーム作りだったが、まわりの多くの助けがあり、形ができてきた。
「最初は不安しかなかった。でも、島の人たちに助けられて、やれるところまでやってみよう、と挑戦しています」と泉さん。田中さんも「淡路の方に元気になってもらえる、子どもたちの夢になれるチームになりたい。そして女子野球がもっと普及するように淡路島から盛り上げていきたい」と意気込む。
野球の火がいったんは消えたかに思えた淡路島。しかし、3年前に蒔かれた「夢」という種が芽を出した。再び大きな花が咲く日は、そう遠くないのかもしれない。
(おわり)
◆女子プロ野球が淡路島に残したもの
【(1)選手たちのいま 大山唯さん】
【(2)監督のいま 碇 穂さん】