第五管区海上保安本部(神戸市中央区)が、神戸の老舗食品メーカー、エム・シーシー食品株式会社(MCC食品 本社・神戸市東灘区)と「災害時における物資の供給に関する協定」を6月24日に締結、 7月にエム・シーシー食品株式会社から『海上保安庁第五管区 みなと神戸を守る!潜水士カレー』が発売される。
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全国の海上保安庁のうち、食品メーカーとの物資の供給に関する協定を締結するのは第五管区海上保安本部が初めて。協定では主に缶詰、レトルトパウチ、冷凍食品が優先的に供給され、双方の窓口や要請方法を定めて、災害発生時に円滑に連携できるようにする。
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物資供給は、激甚化・頻発化が懸念される大規模災害や30年以内の発生確率が70~80%と高い「南海トラフ巨大地震」に備え、第五管区海上保安本部が行う災害対策活動で後方支援体制をより強固なものとするため。さらに防災意識を高めてもらおうと、非常食にもなるレトルトカレーを共同開発した。
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海上保安庁の巡視船では、長い航海、海が荒れて大きく揺れる船内でも調理を担当する「主計士」が、海上保安官を料理で支える。近年では「船飯(ふなめし)」として注目もされ、味のレベルも高くレパートリーも豊富だ。ラジオ関西「ラジトピ」でも2020年~2021年、「おうちごはんのレシピ!『海猿たちの元気メシ』」と題して、近畿各地の海上保安官が作る自慢の料理を紹介した。こうした中、2020年12月、 第五管区海上保安本部がエム・シーシー食品に働きかけ、「災害時にも本当に美味しいものを食べて、元気になってほしい」という思いが実り、コラボレーションが実現した。
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『海上保安庁第五管区 みなと神戸を守る!潜水士カレー』は、神戸海上保安部の巡視船「はるなみ」に乗る主計士のレシピを参考に、中辛~甘口に仕上げた。タンパク質を多く摂取できるよう、チキン(モモ肉)を使い、粒マスタードでアクセントをつけた。さらに「だし」の香りでバックアップ。大変味わい深いものに仕上がった。さらにパッケージの裏面には、安全意識を高めてもらおうと、▼ライフジャケットの装着▼「海のもしもは118番」 緊急通報用番号の告知▼携帯電話を防水パックに入れて・・・といったメッセージを記した。
