「無計画な出費、生活に困り現金要求」赤穂市・贈収賄事件 元担当課長らに有罪判決 神戸地裁 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「無計画な出費、生活に困り現金要求」赤穂市・贈収賄事件 元担当課長らに有罪判決 神戸地裁

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 兵庫県赤穂市発注の配水池整備工事などで便宜を図り業者側から現金計218万円を受け取ったとして、加重収賄罪などに問われた市上下水道部の元担当課長の男(59・懲戒免職)に対し、神戸地裁は29日、懲役3年、執行猶予4年、追徴金218万円(求刑・懲役4年、追徴金218万円)の判決を言い渡した。

 神戸地裁は判決理由で「自社製品の採用を切望する相手の意図をくみながら、立場を悪用して賄賂を要求し悪質だ」と指摘。高級車の購入費や生活費などで無計画に出費を重ね、生活に窮した上の犯行で酌量の余地はないとした。一方、免職処分を受け、反省していることなどを考慮し執行猶予を付けた。

神戸地裁「無計画な出費、生活に窮した上の犯行で酌量の余地なし」とした
神戸地裁「無計画な出費、生活に窮した上の犯行で酌量の余地なし」とした

 元担当課長は、2020年3月と5月、配水池や浄水池の整備工事などで設置するタンクの仕様書を、岐阜県に本社を置く建設設備製造会社の製品(ステンレス製タンク)を納入できるよう、市内にある浄水場の工事の設計図面を同社製の規格に合わせて書き換えたとされ、その見返りに同社側から現金218万円を受け取った。さらに2019年には別の水道工事業者と共謀して架空の工事を偽装し、市から約46万円をだまし取ったとされる。

 贈賄罪に問われた水道設備会社社員・役員ら3人も、28日に神戸地裁でいずれも懲役1年、執行猶予3年(いずれも求刑懲役1年)の有罪判決を受けた。

 赤穂市では2019年にも、市発注の橋梁修繕工事と下水道工事で贈収賄事件が発覚、職員2人が加重収賄などの疑いで逮捕、起訴され、いずれも有罪が確定した。さらに2002年、2007年にも職員が収賄や入札妨害容疑で逮捕された。元担当課長は5人目の逮捕者。

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