西村康稔経済再生担当大臣は13日、新型コロナウイルス対策で酒類の提供停止に応じない飲食店に対し、取引金融機関から順守を働きかけてもらうよう要請した政府方針をめぐり、混乱を招き、不安を与えたことを陳謝した。さらに政府は同日夜、一転して酒類提供を続ける飲食店との取引停止を求めた販売事業者への要請を撤回した。
実は、これらの政府方針について内閣官房が各府省庁に協力を求める文書を今月8日付けで出していたというのだ。そして内閣官房は、金融機関からの働きかけについて、銀行などを監督する金融庁や、政府系金融機関を所管する財務省、経済産業省と事前に調整や検討をしていたことを明かした。相次ぐ政府の方針撤回に、衆参両院の内閣委員会の閉会中審査で 野党などが追及を強めるのは確実となった。
飲食業、酒類販売店、国民の困惑と怒りは収まらず、不信感が広がっている。
兵庫県に出されていた新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置は11日で解除された。大阪府が適用期間を延長し、酒類提供を午後7時までに据え置いたのに対し、神戸市や阪神、播磨地域の10市町では若干、条件が緩和されたが、それ以外の地域では飲食店などの営業時間が午後9時半まで、酒類の提供が午後8時半までと、これまでよりも1時間30分延長された。
こうした中、観光都市・姫路市の夜の街では「大幅緩和」となった。10年ほど前からレストランバーを2店舗経営していた50代の男性オーナーは、コロナ禍で激減した売り上げに苦しみ、昨年末に1店舗に絞り込んだ。「発展的解消」と自分に言い聞かせているものの、休業や時短営業を余儀なくされた飲食店に支給される協力金の入金がいつ滞るかわからないという不安と向き合っている。今回の政府方針、冷静にどう映ったのか聞いた。
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