アカデミー賞脚本賞受賞 暴力や銃に頼らない復讐劇を、おしゃれなタッチで描く

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 アカデミー賞脚本賞受賞、主要5部門のノミネートを果たした映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』。今作の魅力を、映画をこよなく愛するラジオパーソナリティー・増井孝子さんが解説します。

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 今年の第93回アカデミー賞では、女性に注目が集まった。作品賞に選ばれた『ノマドランド』で、クロエ・ジャオが監督賞に、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞に輝いた。

 一方、作品賞、監督賞、そしてキャリー・マリガンが主演女優賞にノミネートされていたのがこの『プロミシング・ヤング・ウーマン』。結果は、監督も務めたエメラルド・フェネルが脚本賞を受賞した。

「女性のパワーを結集して」とか、「女性ならではの視点で……」とか言うこと自体が、すでにジェンダーフリーの観点からおしかりを受けそうだけど、このふたつの作品で描かれている女性の生き方は、とても興味深い。

 夫を亡くし、車を根城に旅を続ける初老の女性が、“どう死んでいくか?”も含め、“生きる”ことを描いた『ノマドランド』。誰にも頼らない自立した自由な生き方は、ノンフィクションがベースの話だ。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』は、実際に大学で起こったレイプ事件を下敷きに、エメラルド・フェネルが脚本を書いた。7年前に起こった、親友ニーナの悲劇的な出来事への復讐を企てるキャシーことカサンドラ・トーマス(キャリー・マリガン)の、暴力や銃に頼らないリベンジこそが、彼女にとって今を生きる目的になっているという話。

 自分のために生きるのか、誰かの(復讐の)ために生きるのか……?

 医学校で学ぶ、前途有望な女子学生だったニーナとキャシー。でも、同級生によるレイプ事件で、彼女たちの人生は大きく変わってしまった。そのとき現場に居合わせず、親友のニーナを守ることができなかったという後悔にさいなまれるキャシー。学校をやめた彼女は、夜な夜な街のバーで泥酔を装って男を誘い、彼らがその気になったところで復讐の鉄槌を下す。

© Universal Pictures

『プロミシング・ヤング・ウーマン』
脚本・監督:エメラルド・フェネル「キリング・イヴ/Killing Eve (エグゼクティブ・プロデューサー )」
編集:フレデリック・トラヴァル
出演:キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー他
2020年 アメリカ 英語 113 分 シネスコ ドルビーデジタル
原題:PROMISING YOUNG WOMAN / 日本語字幕:松浦美奈
ユニバーサル映画 配給:パルコ 映倫:PG 12
【公式サイト】

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