深夜ラジオの代名詞的存在『オールナイトニッポン』。歴代数々のトップスターがその名をコールし、テーマ曲「ビタースウィート・サンバ」をBGMにトークを展開してきました。現在、その歴史ある番組で “キュー”を振るディレクターが、ニッポン放送の野上大貴さん。実は、学生時代はお笑いサークルに所属し、学生芸人として舞台に立っていており、当時のエピソードについて、8月1日放送のラジオ関西『さらば青春の光 東ブクロの学生芸人YOAKEMAE』に出演し語りました。その収録後、特別な思いを持つ学生お笑いや“盟友”についてさらに聞きます。
――大学時代は「慶應義塾大学お笑い道場O-keis」で学生芸人の活動をしていたそうですね。卒業後、プロの芸人を目指そうとは思わなかったんでしょうか?
【野上】「芸人に挑戦してみたいな」という思いは、大学時代もほんの少し、1%くらいだけありました。なにか大きな大会で1位を取れたら考えようと思っていたんですけど、毎回、決勝には進んでも1位にはなれなくて。「ここで1位になれないならプロも難しいだろう」と冷静になれた、という感じですね。もともと、お笑いへの憧れはあったんです。そのきっかけでもあるのが『べしゃり暮らし』(集英社)っていうお笑い芸人を題材にした漫画なんですけど、そこでは主人公の盟友として“放送作家”がいて。作家という存在も同じぐらい興味あるな……とそっちの方向に意識が向いて。
――では、大学時代から裏方志向というか「芸人さんを支える側になりたい」という気持ちがあったんですね。
【野上】そうですね。そっち(作家)を目指して、さらにシフトしていった結果、今ラジオディレクターをやっているという感じです。
――今までたくさんの番組を担当されていると思いますが、2021年2月に単発で放送された『令和ロマンのオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)は学生芸人時代の盟友がメインパーソナリティーということで、かなり思い出深い番組になったのではないでしょうか?
【野上】(令和ロマンの二人とは)大学時代に部室で何時間も喋ったりしていましたし、一緒にチームを組んで大会に出ていたくらいの仲なんです。同じコミュニティでガッツリ時を過ごした人とラジオをやるのが初めてだったので、学生時代の自分では想像できないことをしているというか……当時の自分が知ったらびっくりするだろうなぁ、と。あと、自分がめっちゃ推したというわけではなく、二人の実力があって決まった単発特番だったので感動しました。僕がゴリ押しして決まったんだったら感動は小さかったかもしれないですけど、2人が頑張った結果が結びついたものなので。学生時代は自分と同じステージに立っていたけど、もう2個も3個も上のステージにいったんだなぁと。僕は喋り手の道なんてとても進めるレベルじゃないけど、2人はもうプロの喋り手なんだなっていう瞬間が番組中に何度もあったので……すごくうれしかったですね。
――最近は大学お笑い出身の学生芸人さんが活躍する機会が増えているので、かつての仲間と一緒に仕事することも多そうですね。