「人を殺したことがある」逮捕の男打ち明け 捜査員「止まった時計が動き出した」兵庫県警、裏付け急ピッチ 神戸・北区 男子高校生殺害事件 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「人を殺したことがある」逮捕の男打ち明け 捜査員「止まった時計が動き出した」兵庫県警、裏付け急ピッチ 神戸・北区 男子高校生殺害事件

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 神戸市北区筑紫が丘の路上で2010年10月、高校2年の堤将太さん(当時16)が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された愛知県のパート従業員の男(28・ 当時17歳)が「人を殺したことがある」と周囲に話していたことが捜査関係者への取材でわかった。兵庫県警・神戸北署捜査本部は昨年、この情報を入手。殺害時の将太さんの着衣(Tシャツ)の付着物を検出するなど、裏付け捜査を続けていた。そして男のDNA型と付着物が一致、10年10か月ぶりの逮捕に踏み切った。

兵庫県警・神戸北警察署捜査本部
兵庫県警・神戸北警察署捜査本部

 事件発生直後から、捜査本部は将太さんの交友関係を調べ、聞き取りを続けた。当時を知る捜査員の1人は「友人が多かった将太さん、幼い頃からの地元の知り合いや当時通っていた高校の同級生、バイク好きな仲間たち。そうした人間関係から何か得られる情報はないかと奔走したが、犯人に結び付く糸口は見い出せなかった」と話す。

事件現場付近で 堤将太さんの父・敏さん<2020年9月>
事件現場付近で 堤将太さんの父・敏さん<2020年9月>

 捜査関係者によると、逮捕された男は事件前に兵庫県外の高校を退学し、その後現場近くへ移り住んだとみられる。当時、現場から数百メートル離れた住宅に男の親族が住み、男もこの住宅で生活していた可能性がある。親族は事件の数年後、別の場所へ引っ越したという。

 この捜査員は「本人による『人を殺したことがある』というメッセージ、この10年あまりで心境の変化があったのか、ずっと後ろめたさを感じていたのか、あるいはもう捜査の手から逃げられないと悟ったのか。ここに至るまでどうしても10年以上の時間が必要だったのか。いずれにしても止まった時計が動き出した。特にご遺族や被害者である将太さんのためにも、事件の全容を解明する使命がある」と話した。

「捜査特別報奨金制度」情報提供を求めるチラシ
「捜査特別報奨金制度」情報提供を求めるチラシ

 事件をめぐり警察庁は2012年12月、有力情報の提供者に最高300万円を支払う「捜査特別報奨金制度」の対象に指定した。兵庫県警は事件当時、堤さんと一緒にいた少女の目撃情報などから作成した似顔絵も公開した。神戸北署捜査本部には、今年(2021年)6月末までに約920件の情報提供があり、そのうち約70件が昨年12月(9年目の更新)以降に寄せられたものだったという。

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