「コロナ前からずっと思っていたことだが、飲食店は、そこで待って、来てもらう商売なので、もしお客さんが来なくなったら怖いなと思っていた」
そう述べるのは、肉を専門にレストラン事業やネット通販事業を展開する、株式会社グローイングコンセプション(本社:神戸市中央区花隈町)の代表取締役、井上直哉さん。
現在、同社は「神戸牛炉釜ステーキ専門店 神戸炉釜工房」や「神戸あぶり牧場」、「グリルド神戸」などのレストラン事業だけでなく、神戸牛に特化したEC小売サイト「神戸ぐりる工房」を運営するEC事業、焼肉店専門のコンサルティングを行うコンサルティング事業、さらには和牛輸出事業・セリ代行事業を行うなど、肉を追求しながら多角的な経営を行っている。
コロナ禍では、経営する飲食店の一部休業、ならびに営業時間短縮を余儀なくされたが、一方でネット通販を主とするEC事業は好調と、経営を下支えしている。「年商で、前年比250パーセント増くらいの勢い。一時的なものかと思ったが、それが落ちていない」。“おうち時間”の増加で、個人で和牛やブランド牛を買い求める傾向も強くなっているようだ。
そのEC小売サイト「神戸ぐりる工房」にもこだわりがあるという。「神戸牛はそれだけでもすごくおいしいものだが、ワインや日本酒と似ていて、作られている生産者によって味が変わるもの。自分が昔からいろいろなお肉を食べてきたが、すごくおいしいと思える生産者の数は限られてきた。そういった生産者のお肉だけを販売しているサイト。自社でもセリの権利を持っているので、いいお肉を生産者と協力しながら買い、顧客へいい状態で届けている」と、井上さんは胸を張る。
「コロナは、ある意味大変な状況だが、会社としてはすごく変わることができる、1つの大きなきっかけ」だという井上さん。これからの目標は、『インターナショナル肉屋』。「日本の和牛はすごく素晴らしい、それを海外の人にも知ってもらいたい」。
※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2021年8月3日放送回より
【放送音声】