家で過ごす時間が増えるなかでインテリアを楽しむ人が増え、また、自宅にアートを取り入れる人も増えてきているという。家でアートを楽しむ方法について、アート&フレームスタジオの「サイト二番町」(神戸・六甲アイランド)の代表、中川洋子さんに話を聞く。
「留学でアメリカ・カリフォルニア州のカーメルという町に住んでいました。人口2万人の小さな町ですが、400ほどのギャラリーがあり、少し歩けばギャラリーに当たるというような感じで新鮮なアートを見る機会が多かったんです。それでアートに興味を持つようになりました。そして、日本では生活の中にアートがないと感じ、広めたいと思って今の仕事を始めました」(中川さん)
留学をきっかけにアートや額装に魅了された中川さんは、アメリカの「ピクチャー・フレイミング・アカデミー」でアメリカの額縁協会会長に教わったのだという。そんな中川さんは「フレーマー」という資格を保有している。これは、全国の額縁メーカー、卸店、小売店で結成されている全国額縁組合連合会が主催するフレ―マー資格制度という通信教育の全教科を受講し、所定のテストに合格した人に授与される資格。全国に2000人ほどがいるそうだ。フレ―マー資格保持者は絵に額を合わせることだけではなく、部屋の美しさや豊かさを演出するためのトータルインテリアの最終仕上げとして最も重要な“壁面装飾”について、アドバイザーとして要望に基づきフレーミング(額装)の提案を行っている。
額縁にはインテリアとアートを結びつける役割もあり、最近は個性的なインテリアも増えているというが日本では以前からシンプルモダンなインテリアが多く、それに合わせる額となると、シンプルなものの人気が根強い。「サイト二番町」では数多くのAUEオリジナルアートと5000種類以上のアートポスター、およそ2000種類の額縁を取り揃えており、壁にたくさんの額縁の見本が並んでいるさまは圧巻だ。
そしてアート&フレームスタジオの「サイト二番町」では、額縁とともにアートを取り扱っている。専属作家「AUE」が製作しているアートが数多くあり、空間コンセプトに合わせて色やサイズの変更ができ、ホームページで施工例を見ることも可能。画廊には入りにくいと思う方も多いかもしれないが、「サイト二番町」ではカタログに載っている多くのアートイメージの中から選ぶことができる。
「実際に家の中でアートを飾ろうとすると、賃貸住宅だとできないのではないかと心配になるかもしれませんがご安心ください。大きさにもよりますが、小さめのアートでしたら1本針フックで吊るせるため、壁には小さな穴がひとつ空くだけです。そして、クギ1本の穴であれば、ホームセンターで買える補修材で簡単に補修できますよ」