2年連続慰霊式中止も、関係者だけで黙とう「戦争の記憶を伝えるのが我々の使命」 神戸の「戦没した船と海員の資料館」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

2年連続慰霊式中止も、関係者だけで黙とう「戦争の記憶を伝えるのが我々の使命」 神戸「戦没した船と海員の資料館」

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 犠牲者の中心は10~20代の若者たちで、その数は全体の6割にあたる約3万5000人。14歳という若さで海に散った少年船員たちも1000人近くにのぼる。岡村さんは「開戦当時、日本は世界で3本の指に入る海運大国。優れた船が多かったが、次々とそれらが沈んでいった。そこを補完するため国が用意したのが、簡素な造りの“戦時標準船”。そこに14歳の少年船員が乗り込み、若い命が奪われた」とため息をつく。

 戦況が悪化し、人員、物資の両面で厳しくなった戦争末期には木造船やコンクリート製の輸送船が建造され、実際に駆り出された。「十分な護衛もない中、性能も劣る船に民間の船乗りを乗せる。命を軽く見た行為で危険極まりない。ただ民間船の被害についてまだまだ知られていない。これからも伝えていきたい」と岡村さんは話す。

過去30年の式辞をAIで計量分析、各首相に特徴的なキーワードが「平和」「不戦の決意」から「繁栄」「未来」へと移行<2021年8月15日>
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 資料館館長で全日本海員組合関西地方支部支部長の浦隆幸さんは「戦争の記憶を伝えるのが我々の使命。来年こそは、集まっての慰霊式を開きたい」と話した。

臨時休館が続くが少人数での見学は受け入れている。「コロナ禍でも、親戚の最後を詳しく知りたいと問い合わせがある。みなさんの思いにはできる限り応えたいので資料館に問い合わせを」(浦さん)
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