新型コロナウイルス緊急事態宣言が20日、13都府県に拡大した。まん延防止等重点措置も16道県に広がり、行動制限の強化は計29都道府県、全人口の約84%に。爆発的な感染拡大が止まらず、患者の急増で医療体制は危機的な状況が続く。政府は宣言解除の判断の根拠とする指標見直しを検討するが、出口は見えない。
兵庫県は20日、新たに907人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日あたりの新規感染者数は3日ぶりに1000人を下回ったが、18日の1088人、19日の1072人に続き3番目の多さとなった。近畿では兵庫県と京都府が、20日から4度目の緊急事態宣言期間に入った。9月12日まで、大阪府とともに3府県が宣言下に入る。
斎藤元彦知事は20日、全国知事会の新型コロナウイルス緊急対策本部会議にオンラインに参加。斎藤知事は4度目の緊急事態宣言の期間が始まり、昨日までの2日間、新規感染者が2日連続で1000人を超えたことに触れ、「極めて厳しい局面、1人1人が自分の身を守ること、人流を半減させるなど行動を変えることで、医療崩壊を防ぐことができる。社会全体のためにも今が踏ん張り時だ」と述べた。
さらに「県民の自粛疲れが叫ばれる中、今回の宣言で何が重要なのかという観点が求められる」と述べ、コロナ感染による重症化を防ぐとされる『抗体カクテル療法』を県立病院の協力を仰ぎ、具体的に進めるためにも供給量の増加を求めたい」と要望した。
またワクチンについて「市町の接種を進めるに当たり、国からの供給量が不足している。要望を続けていくことが大事だ」と述べた。若者の接種率の低さを挙げ、若者のワクチン接種率の低さについては、副反応やインターネットの情報の不安が懸念されていると指摘、その払拭を急ぐとした。
そして国に、あらためて「この先の姿を早く示していただきたい」と述べ、出口戦略やその他の実効力ある対応を求めた。
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