コロナ禍で奮闘する救急隊の姿を知って 神戸市消防局がドキュメンタリー番組企画 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

コロナ禍で奮闘する救急隊の姿を知って 神戸市消防局がドキュメンタリー番組企画

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 9月9日は「救急の日」。救急医療や救急業務に対する市民の正しい理解と認識を深め、救急医療関係者の意識の高揚を図る目的で設けられたものだが、今年は、関西では兵庫・大阪・京都の緊急事態宣言の解除が見通せず、新型コロナウイルスの第五波が続く中で迎えることとなる。

 神戸市消防局は、医療がひっ迫する中で活動する救急隊の姿を知ってもらおうと、「救急の日」にあわせてケーブルテレビで特別番組を企画。救急隊員を統括する救急係長の仕事ぶりに密着する内容で「救急隊員の頑張る姿を知ってもらうことで、気持ちを一つにコロナ禍を乗り越えていきたい」と呼びかけている。

 番組名は『救急係長 カワムラ』。神戸市兵庫消防署の川村翔太・救急係長に密着したドキュメンタリー番組だ。発案したのは、現役の救急係長数名による「救急業務広報プロジェクト」のメンバーたち。その背景にあったのがコロナ禍で疲弊する同僚たちの姿だという。

訓練風景

「病院側のコロナ患者さんの対応で病院のベッドに余裕がなくて、救急隊が病院に受け入れ交渉をしてもなかなか搬送先の病院が決まらない。こういった中で現場での滞在時間が長時間に及ぶようなことが度々ありました。また、消防署に戻ってきてから、救急車内の消毒作業にも多くの時間を費やすようになりました。これによって普段以上に休息が取れない、救急隊負担が普段の何倍にも増している、とずっと感じていました」(川村)

 神戸市垂水消防署で救急係長を務め、同プロジェクトのメンバーでもある白坂浩明さんも「コロナ禍で人を集めてのイベントができないという中で、市民の一人一人に私たちの思いをどうすれば伝えられるだろうか、と考えて、この企画に至りました」と話す。

 実は、川村係長が指揮する兵庫消防署の救急隊は「神戸市一(イチ)、多忙な救急隊」と言われるほど、出動件数が多いことで有名。神戸市消防局全体で33隊あるうち、出動件数は1位を記録している。

兵庫救急隊

 今回の密着取材では当然、実際に出動するシーンもの撮影対象となっているが、救急隊の出動ペースに撮影班の準備が追いつかないケースや、一旦出動したら連続出動が続いて消防署に戻ってこれない、というケースも起きるなど、撮影は簡単ではなかったという。

「当然ながら撮影のために出動を止めるわけにはいきませんし、撮影スケジュールは予定通りにはいかなかったです。『神戸市一忙しい消防救急隊』や、24時間365日稼働し続けている消防署を対象にした以上、当然の結果と言えますね」と川村係長は苦笑いで振り返る。

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