「大切な人や大切なことのために生きていくエールになれば」 映画『君がいる、いた、そんな時。』監督に聞く | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「大切な人や大切なことのために生きていくエールになれば」 映画『君がいる、いた、そんな時。』監督に聞く

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 日本人とフィリピン人とのハーフというだけでいじめられる不条理に、人との付き合いを避ける小学6年生の男の子。空回りして周囲から浮いているのに、いつも笑顔で自分の居場所を求めている同じクラスの友だち。本当の感情を表に出さずに過ごす彼らに唯一、明るく接してくれる図書室の司書の女性。ある秘密を持っていた彼女を励ますために、2人は突拍子もないことを実行する。真夜中の町中に響くフィリピンの歌、DJ、そして彼女へのメッセージ。でもそれは、大切な人のために一途にやったことなんだと感じる瞬間、とても微笑ましく、優しい気持ちになる……。

 広島県呉市を舞台に撮影されたハートウォーミング映画『君がいる、いた、そんな時。』。監督・脚本をつとめた迫田公介さんに見どころなどを聞いた。

©とび級プログラム

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

――監督にとって初の長編。製作のきっかけは?

【迫田公介監督(以下、迫田監督)】 12~13年くらい前に第1稿を書いたのですが、けっこう重いうつ病を発症して、うまくいきませんでした。その後、中編映画(2014年『父の愛人』)で劇場デビューし、改めて長編を撮ろうとしたときに「やっぱりあの脚本気に入ってたなぁ」と。

――監督にとって人生をともにしてきた物語ですね。

【迫田監督】 この映画は、人と出会っていくことで、そして、知っていくことで何かが変わっていき、その人のために行動することで自分が強くなっていくというお話ですよね。1年以上前から全国で順次公開して、ほぼすべての劇場に足を運んで舞台あいさつしていますが、うつ病を経験して、やっぱり人と会うのが怖いんです。それでも、「その先に必ず希望がある」という思いでこの映画とともに歩んでいる気がします。コロナ禍で、出会うことが難しい時期でもありますが、出会うことで救われている部分もあります。

――子どもの多面性に触れる作品でもあると感じました。

【迫田監督】 ぼくたちが子どもの頃はどうだったでしょう? 良いところもあったり、ウソをついたり、残酷だったり。大人と同じようにとても多面的だったはずで、この作品でも小学生たちを「子どもとしてではなく人間として」描けたらいいな、と思いました。


【映画『君がいる、いた、そんな時。』公式HP】

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