政府が、兵庫など19の都道府県に出している緊急事態宣言を30日で解除する方針を決めたことを受け、兵庫県は28日午後に新型コロナウイルス対策本部会議を開いた。10月1日以降、県が独自に「適正な感染防止対策をとっている」と認めた飲食店に限り、午後8時半まで酒類提供を容認する(営業は午後9時まで)一方、認証を受けていない飲食店は1時間前倒し、午後7時半まで(営業は午後8時まで)とする。全面的な制限解除は見送り、段階的に緩和することで感染の再拡大を防ぐ。期間は10月21日までとする。
なお大阪府では、認証店以外は営業を午後8時までとし、酒類提供は認めない(期間は10月1日~31日の1か月間)。京都府は兵庫県同様、認証店以外は酒類提供を午後7時半まで(期間は10月21日まで)。滋賀県は全域で時短要請や酒類提供停止の解除を決定した。
兵庫県は2021年4月から、「新型コロナ対策適正店認証制度」を導入。アクリル板の設置や換気の徹底、食事中以外のマスク着用の呼びかけなど、計15項目を設定。飲食店などからの申請を受けた県が実地で確認した上、認証ステッカーを交付する。県内の飲食店など約2万8千の対象店舗のうち、これまでに4割にあたる約1万2千店が認証を受けているという。酒類を提供できる時間や営業時間など、対応に差をつけることで、認証制度に参加する飲食店を増やす狙いがある。
斎藤元彦知事は対策本部会議後、「認証までには、事務処理に一定の時間がかかる。認証の申請をしている時には、対策をしっかりとって、写真等を添付して申請してもらっている」などの理由から、9月30日までに認証の申請が行われた場合は認証店としてみなす考えを示した。要請に応じた店舗には、中小企業には2万5千円~7万5千円、大企業には上限20万円の協力金が支給される。
宣言解除後、こうした措置は県内全域が対象となる。斎藤知事は、「感染拡大期では、感染が拡大しているエリアを“まん延防止等重点措置の対象”として、そこを徹底的に抑制していくやり方だった。今回もエリアを分けるという議論もあったが、今は(主に新規感染者数が)“下り”という状況なので、県全体で感染再拡大への警戒をしていくことが重要だと判断した」と述べた。