■斬新さと懐かしさに惹かれて…ピアニスト・土井 緑さん
ピアニストで大阪音楽大学教授の土井 緑さんは、自らのピアノリサイタルで「パリで煌めく作曲家達」として、フランス印象派と大澤作品を中心に取り上げ、2021年には7シーズン目に入った。来る10月28日、大澤の命日にザ・フェニックスホール(大阪・西天満)で開かれるリサイタルには大澤作品のうち、ピアノ独奏曲「ウッドブロックス」、「丁丑春三題(ていちゅうはるさんだい)」よりⅠ.春宵紅梅、Ⅲ.春律醉心をセレクトした。
「大澤作品はラヴェル(フランス)の楽曲と同じ、鍵盤の隅から隅まで使う音域の広さが、当時としては斬新で先駆的なところ。一方で曲想が、どこか『和』の懐かしさを感じさせるところもあり、クリエイティブな側面だと思う。大澤の再評価は正直嬉しいし、この流れに加われる喜びを感じている」と話す。パリでの華やかな留学生活の印象が強い大澤だが、20世紀に入り台頭したシェーンベルク(オーストリア)やバルトーク(ハンガリー)の影響も受けているようにも感じられ、今回のリサイタルはバルトークをメインに取り上げ、新たな共通点を見出したいという。
・・・・・・・・・・・・・・
◆「大澤壽人 神戸からボストン・パリへ 1930-1953」展 世界への飛翔 ― 天才作曲家の足跡
【開催期間・会館時間】2021年12月12日(日)までの土曜・日曜・祝日 10:00~17:00(入館は16:30まで)
【会場】民音音楽博物館 西日本館(神戸市中央区浜辺通6-3-16 関西国際文化センター3F)
【入場料】無料
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、引き続きマスク着用などのご協力をお願いいたします。