友紀さんは続ける。「東京地裁の判決で、裁判長は”アクセルとブレーキの踏み間違い”を認定して、罪を認めようとしない被告の態度を深刻にとらえ、『過失は明白。判決に納得できるなら被害者遺族に真摯に謝っていただきたい、(罪を)認めて謝罪するところから実践していただきたい』という厳しい説諭をした。遺族はこの裁判長の言葉に救われたのではないだろうか。
亡くなった方々に対する血の通った判決、日本の刑事裁判も捨てたものじゃない、しっかりと判断していると思った」と話す。
恵果さんが犠牲になった事件では、危険運転致死傷などの罪で起訴された女について大阪地裁は「アクセルとブレーキの踏み間違い」と認定、「遺族の、被告人に対する処罰感情は峻烈(しゅんれつ)である」と指摘も「さほど悪質な飲酒運転事件ではない」として過失運転致死傷罪を適用、2017年10月の控訴審で大阪高裁は懲役3年6か月とした1審判決を支持、実刑判決が確定した。
◆兵庫県尼崎市で2007年、3人が死亡した飲酒運転事故で、タクシー運転手・岩田浩一さん(当時48)を亡くした妻、瞳さんは交通死亡事故に関して厳罰化が進む中でも、相次ぐ悲劇の報道に接するたび、心が痛むという。
「男が、判決で『自らの過失を認めた上で、遺族に真摯に謝罪を』と言われ、裁判所の認定に納得できたのであれば、しっかりと罪と向き合い、収監に応じてほしい」と話した。また高齢ドライバーの免許返納制度にも触れ、「高齢なのに、家族はどうして車の運転をやめさせなかったのかと思うと、非常にもどかしい」とも話す。
この事故をめぐっては、危険運転致死罪に問われた元建設作業員の男に対し、神戸地裁尼崎支部が2007年12月、当時の交通事故をめぐる判決としては最も重い懲役23年を言い渡し、確定した。
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■「私の勘違いによる過失、ブレーキとアクセルを間違えた 反省するため刑に服して…」男は12日、支援者を通じてコメントを発表した。
先日の裁判の判決に従い、東京地方検察庁から呼び出しがあり、本日(10月12日)、収監されることになりました。
このたびの刑事裁判では、事故当時の私には踏み間違いの記憶がなかったため、被害者とそのご親族の方々に心苦しくも無罪を主張させていただきましたが、提出された証拠および判決文を読み、暴走は私の勘違いによる過失でブレーキとアクセルを間違えた結果だったのだと理解し、控訴はしないことにいたしました。亡くなられた松永真菜様・莉子様のご家族ご親族様と、おけがをされた被害者の方々には深くおわび申し上げます。私の過失を反省するため刑に服してまいりたいと思っております。また、この事故で多くの方々にご迷惑をおかけしましたことをおわびいたします。
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