いま求められる「多文化共生社会」「ユニバーサル社会」とは

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 2018年『R-1ぐらんぷり』(現『R-1グランプリ』)王者で、「ひょうごユニバーサル大使」を務める“盲目の漫談家”濱田祐太郎と、「ユニバーサル社会」について考えるラジオ番組【濱田祐太郎のひょうごユニバーサル通信】。

 9月21日に行われた18回目の放送では、NPO法人神戸定住外国人支援センター(通称:KFC)理事長の金宣吉さんがゲスト出演。「多文化・他の文化と生きる力を育むために」をテーマに、現状や今後の課題についてトークが展開された。

【濱田祐太郎のひょうごユニバーサル通信】放送のようす。左が林真一郎アナウンサー、右が濱田祐太郎

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◆神戸定住外国人支援センターとは…

【林真一郎アナウンサー(以下、林アナ)】神戸定住外国人支援センターは、いつ頃から活動されているんですか?

【金宣吉さん(以下、金さん)】外国の方・特にアジアの方がたくさんいる神戸市長田区で生まれたものです。国籍・言葉・文化の違いで困っている人をこれまでたくさん見てきました。特に、1995年に起きた阪神・淡路大震災からの復興の際、苦労されている方々を見て、そんな方たちを支えていける団体をできればと、1995年にボランティアグループとして活動を始めました。

【林アナ】言葉の壁は、大きいのでしょうか?

【金さん】漢字圏じゃない方たちにとっては、漢字の壁は特に大きいですね。例えば過去にあったのが、とても日本語が上手な海外の方のお話し。(地名で)「御蔵通(神戸市長田区にある地名)」と書いて「みくらどおり」と読むのですが、「おくら」とか「ごくら」としか読めないということがありましたね。

【濱田祐太郎(以下、濱田)】最近だと、人の名前もキラキラネームとかもありますもんね! そうでなくても僕の「濱」も難しい方の「はま」で、外国の人からしたら、『何種類かあるんか』となりますもんね。

【林アナ】日本語の支援もやられているんですか?

【金さん】震災の直後から日本語の支援は行っていますし、親御さんが日本語を分からない場合があるので、神戸定住外国人支援センターに教室を構えて、宿題が分からない子供たちの勉強を見る支援も行っています。中学生向けには、入試の種類が多い今、分からないことも多いと思うので、そういったガイダンスも、中学校の先生に協力してもらいながら行っています。

神戸定住外国人支援センター(公式ホームページより)

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 兵庫県には現在、約11万5千人の外国人が居住している。その中でいま、求められているものは「多文化共生社会」だと、金さんは言う。

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【金さん】多文化共生というと、「違いを認めて、ともに生きる」というのが概念と言われますが、違いがあるということで、「不当な差別をうけない」「排除されない」という解釈をしてもらうことだと思っています。

【林アナ】「多文化共生」で一番問題になっていることとは、何ですか?

【金さん】外国人がどういう経緯で、日本で暮らしているのかというのを、多数者である日本の方が知らないってことですよね。私は神戸で育ったのですが、関東に行ったときに「金さん、日本語お上手ですね」と言われて……。ガクッとしますよね(苦笑)。どんな歴史があって、どんな形で社会に溶け込んでるのかというのが、まだまだ伝わっていないのかなと感じますね。

【林アナ】本当のユニバーサル社会とは、どういうことだと思いますか?

【金さん】外国の方を受け入れている優しい事例とそうじゃない事例の2つ事例を紹介したいと思います。まず優しい事例では、神戸市長田区にある保育所が(外国人の)親を対象に日本語教室を開いています。保育士の方も協力して子どもを見て、その間に親が勉強するという活動を行っているんです。一方で、日本語が読めないというところにつけこんで、置いてもない消火器代を請求したり、家を借りるのに日本人の保証人を連れてこいという不動産屋があったりするような、犯罪になる事例もあるんです。今の社会では、「みんな仲良くしましょう」という善意だけに頼っているところがあるので、差別やいじめが犯罪だという認識を持つ社会になっていってほしいです。

日本に住んでいる外国の方と難民の方に、「自分の住んでいる国に帰るんですか?」と聞く人、結構いるんですが、難民の方が帰ってしまうことって少ないんですよね。反対に、傷つけてしまうんじゃないかと何も聞かなかったり、反対に何も聞いてくれないとなってしまったりするので、まずは、普通の話をするのが、知ってもらうための第1歩になるんじゃないんですかね。

【濱田】それって、でも、難しいですよね。何を聞くのが一番いいんですかね……。

【金さん】「小学校どこいってたん?」というような会話をしたらいいと思うんです。相手が『日本で生まれて、日本で育ってるかもしれない』というのを頭の片隅に入れてコミュニケーションをとれば、相手を傷つけないコミュニケーションになると思います。

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「多文化共生社会」について身近なところから興味を持ってもらいたいと、兵庫県、そして神戸定住外国人支援センターでは、「『多文化共生』を考える研修会」を開催。4回に分け、様々なテーマを取り上げる予定。今年の開催は、11月4日(木)、7日(日)、11日(木)、14日(日)。各回定員60人で、ZOOMを使ったオンラインで実施。参加方法は、神戸定住外国人支援センターの公式サイトに掲載されている。問い合わせは、電話078-612-2402まで。

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淡路島シフォン

【濱田祐太郎のひょうごユニバーサル通信】番組後半では障がい者が作った授産品「淡路島シフォン」が紹介された。作っているのは、「就労継続支援B型事業所クオーレ」。第11回スウィーツ甲子園兵庫県大会でグランプリを受賞した人気商品で、プレーン、玉ねぎ、レモン、ロイヤルミルクティーの4種が入ったシフォンケーキだ。北坂養鶏場のさくらたまご、平岡農園のレモンなど、鮮度と安全性の高い食材を厳選して使用している。玉ねぎのシフォンケーキをペロリと全部食べた濱田さんは「玉ねぎと卵が合わさって親子丼の風味めっちゃします! おいしかったです」と絶賛していた。価格は、1箱4個入りで1760円(税込み)。販売に関する問い合わせは、就労継続支援B型事業所クオーレ、電話・FAX0799-42-2877まで。


※ラジオ関西『PUSH!』2021年9月21日放送回【濱田祐太郎のひょうごユニバーサル通信】より


【放送音声】

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